NHK大河「光る君へ」宣孝のサプライズ求婚に心揺れるまひろ…周明も動く!第24回みどころ

AI要約

女優の吉高由里子が主演するNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・後8時)の第24回「忘れえぬ人」が16日に放送される。

大石静氏が脚本を手がけるオリジナル作品。大河ドラマではきわめて珍しい平安時代の貴族社会を舞台に、1000年の時を超えるベストセラー「源氏物語」の作者・紫式部/まひろの生涯に迫る。9日に放送された第23回「雪の舞うころ」では、通事が殺された事件を機に越前に滞在する宋の思惑が浮き彫りに。まひろ(吉高)は周明(松下洸平)は交流を深めていくなかで、訪ねてきた宣孝(佐々木蔵之介)から突然求婚されるという展開が描かれた。

通事・三国若麻呂(安井順平)の事件は、周明が連れてきた証人によって朱(浩歌)の無実が明らかに。越前の行く末を思うあまりに朱にぬれぎぬを着せた源光雅(玉置孝匡)の話もしっかりと聞き、理解を示した上で謹慎処分を下す為時(岸谷五朗)の大岡裁きはお見事だった。朝廷との商いをもくろむ宋人も、一筋縄ではいかない、手ごわい存在であることも明らかになった。

突然日本語をしゃべり出した周明は、まひろに「宋人だ」と名乗りながらも、対馬生まれであること、口減らしのために親から海に捨てられたこと、宋では家畜のように働かされていたこと、医師(くすし)に救われ今に至ることなど壮絶な過去を語り始める。平安のジョン万次郎がここに…。通事となった周明は、宋にあこがれを抱くまひろに宋語を教えることで関係を深めるが、親しみと打算の相反する感情をはらんだ表情が切ない。「宋は懐の深い国」とまひろは言うが、出世のため密命に進もうとする周明に、宋の闇が差す。

NHK大河「光る君へ」宣孝のサプライズ求婚に心揺れるまひろ…周明も動く!第24回みどころ

 女優の吉高由里子が主演するNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・後8時)の第24回「忘れえぬ人」が16日に放送される。

 大石静氏が脚本を手がけるオリジナル作品。大河ドラマではきわめて珍しい平安時代の貴族社会を舞台に、1000年の時を超えるベストセラー「源氏物語」の作者・紫式部/まひろの生涯に迫る。9日に放送された第23回「雪の舞うころ」では、通事が殺された事件を機に越前に滞在する宋の思惑が浮き彫りに。まひろ(吉高)は周明(松下洸平)は交流を深めていくなかで、訪ねてきた宣孝(佐々木蔵之介)から突然求婚されるという展開が描かれた。

 通事・三国若麻呂(安井順平)の事件は、周明が連れてきた証人によって朱(浩歌)の無実が明らかに。越前の行く末を思うあまりに朱にぬれぎぬを着せた源光雅(玉置孝匡)の話もしっかりと聞き、理解を示した上で謹慎処分を下す為時(岸谷五朗)の大岡裁きはお見事だった。朝廷との商いをもくろむ宋人も、一筋縄ではいかない、手ごわい存在であることも明らかになった。

 突然日本語をしゃべり出した周明は、まひろに「宋人だ」と名乗りながらも、対馬生まれであること、口減らしのために親から海に捨てられたこと、宋では家畜のように働かされていたこと、医師(くすし)に救われ今に至ることなど壮絶な過去を語り始める。平安のジョン万次郎がここに…。通事となった周明は、宋にあこがれを抱くまひろに宋語を教えることで関係を深めるが、親しみと打算の相反する感情をはらんだ表情が切ない。「宋は懐の深い国」とまひろは言うが、出世のため密命に進もうとする周明に、宋の闇が差す。

 越前編のオリジナルストーリーが進むなか、雪の日の和歌「ここにかく 日野の杉むら うずむ雪 小しほの松に けふやまがへる」は、実際に紫式部が越前で詠んだもの。越前富士と呼ばれる日野山の雪をながめ、京の小塩山を思い出す。初雪のカットは越前のまひろから京の道長(柄本佑)に。歌と連動したカット割りが粋すぎる。

 都では、定子(高畑充希)が姫御子を出産。枕草子の「うつくしきもの」も登場し、定子さまの瞳に少しずつ光が戻っていく姿がうれしい。他の女御には全く興味を示さない一条天皇(塩野瑛久)を憂う母・詮子(吉田羊)と道長は、姉弟らしいナイショの会話を久々に交わす。「私には妻が2人おりますが、心は違う女を求めております」。現代の価値観に置きかえれば言ってることはメチャクチャだが、ストレートな恋心の吐露は胸を打つ。為政者としての道長ではなく、弟の道長は素直でかわいらしい。筆者の「うつくしきもの」のひとつである。

 越前をサプライズ訪問した宣孝は、「源氏物語」の頭中将みたいなフットワークの軽さ。土産の化粧品ではなく「玄怪録」に興奮し、ウニを手で割る女・まひろを面白そうに見つめる。「お前と会うと違う世界がかいま見える。新たな望みが見える。未来が見える。まだまだ生きていたいと思ってしまう」。こんなこと言われてみたいものだ。冷静に見れば、親友の娘に懸想する宣孝って結構ギリギリな気がするのだが、佐々木蔵之介という役者のほがらかさと清潔感がすべてを浄化する。

 前回のラストは「都に戻ってこい。わしの妻になれ」というサプライズ求婚&ほんわかBGMで終わったが、第24回はその続きから始まる。ただ「結婚したい」という意思を伝えるのではなく、まひろにかけるセリフがめちゃくちゃ染みて、すごくいいので冒頭から楽しみに見てもらいたい。傷ついた経験がある妙齢の女性にはおしなべて響く気がする。

 まひろは宣孝だけでなく、周明からも「一緒に宋へ行こう」と誘われる。前回「国際ロマンス詐欺」とSNSを沸かせた周明に、まひろはどう立ち向かうのか。一方、内裏では、一条天皇が定子と生まれた姫に会いたい気持ちを募らせ、詮子は息子の願いをかなえてほしいと道長に懇願。行成(渡辺大知)の案で、内裏の外で会うことがかなった一条天皇は…という展開が描かれていく。

 サブタイトルの「忘れえぬ人」は、誰のことだろうか。登場人物のぶんだけ「忘れえぬ人」が存在するわけで、そのバックグラウンドに思いをはせるたび、感情移入してしまう自分がいる。しつこいようだが、筆者の忘れえぬ人は直秀(毎熊克哉)です。視聴者のみなさんの忘れえぬ人は誰ですか?(NHK担当・宮路美穂)