尾上松也、初日迎えた「博多座大歌舞伎」の「身替座禅」で場内笑いに包む「憧れのお役。柔らかさを出せたら」

AI要約

歌舞伎俳優の尾上松也が福岡・博多座で初日を迎えた「六月博多座大歌舞伎」に出演。昼の部では「身替座禅」で大きな笑いを引き起こした。

「身替座禅」は浮気性の男が身代わりを立てて奥方の目を盗み、恋人に会いに行く物語。ユーモア溢れる作品で場内は笑いに包まれた。

この演目は6代目尾上菊五郎によって初演され、松也は憧れの役を演じる。先輩のサポートもあり、柔らかな演技に取り組んでいる。

尾上松也、初日迎えた「博多座大歌舞伎」の「身替座禅」で場内笑いに包む「憧れのお役。柔らかさを出せたら」

 歌舞伎俳優の尾上松也が2日、福岡・博多座で初日を迎えた「六月博多座大歌舞伎」(17日・千秋楽)昼の部「身替座禅」に出演した。

 「身替座禅」は大の恐妻家でありながら浮気性の山蔭右京(松也)が、太郎冠者(尾上右近)を身代わりにして奥方玉の井(坂東彌十郎)の目を盗み、恋人の花子に会いに行く物語。浮気したい夫と嫉妬に燃える妻をユーモアたっぷりに描いた松葉目物で、場内は何度も大きな笑いに包まれた。

 6代目尾上菊五郎が明治43年(1910年)に初演し、「新古演劇十種」に加えた音羽屋の家の芸。当代(7代目)菊五郎の当たり役でもある。松也は「以前、自主公演で挑戦した憧れのお役。どこか憎めない愛嬌(あいきょう)を大切に、作品に流れる柔らかさを出せたら。これまで先輩方の右京で奥方をされている彌十郎のお兄さんがいるので心強いです」と話している。

 ほかに昼の部は「修善寺物語」「恋飛脚大和往来 新口村」、夜の部は「通し狂言 東海道四谷怪談」が上演された。