出火前に刃物で襲われたか 品川の母子4人死亡事件 いずれも抵抗した傷はなし

AI要約

東京都品川区で、住宅から出火して刃物で刺された母子4人の遺体が発見され、捜査が行われている。事件は出火前に刺されたとみられ、警視庁捜査1課が殺人事件として捜査を進めている。

遺体はリビングに隣接した和室で発見され、焦げた衣服や床が焼けていた。高波冬美さんと子供たちの死因が判明し、一部は刺された後も生存していた可能性がある。

父親の行動や事件の時系列が明らかになりつつあり、事件直後から犯行が行われた可能性が浮上している。

東京都品川区で、住宅から出火して刃物で刺された母子4人の遺体が見つかった事件で、4人は出火前に刺されたとみられることが27日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査1課は殺人事件とみて、詳しい経緯を調べている。

事件は23日午後1時半ごろ、親族が住宅を訪問して発覚。1階から出火し、高波冬美さん(37)と2~6歳の子供3人が刃物で首などを刺されて死亡していた。

捜査関係者によると、出火したのは1階リビングの中央。焦げた衣服が散乱し、床約0・8平方メートルが焼けていた。4人はリビングに隣接した和室に倒れていた。発見前日か当日に死亡したとみられる。

司法解剖の結果、高波さんと次女(3)の死因は失血死で、煙などは吸っていないとみられる。長女(6)と長男(2)は急性一酸化炭素(CO)中毒で死亡しており、刺された後も生存していた可能性がある。

いずれの遺体にも抵抗した際に腕や手にできる傷はなかった。血痕は現場の狭い範囲に集中しており、就寝中など、抵抗できない状況で刺された疑いがある。

現場からは40代の父親が救急搬送されて入院しており、捜査1課は回復を待って事情を聴く方針。父親は煙を吸っていたほか首に刃物による傷を負っていた。高波さんと父親は事件の数日前に離婚していた。

父親は遺体が見つかる前日の22日夜、防犯カメラに歩いている姿が捉えられており、4人が襲われたのはその直後から23日午後の間とみられる。現場は完全に施錠されていた。