<独自>旧「五菱会」関係者か 3~17倍の超高金利でヤミ金営業 警視庁が4人逮捕

AI要約

警視庁が超高金利でヤミ金業を営んだ容疑者を逮捕。過去に指定暴力団と関係がある可能性も。

捜査で、容疑者らは無登録で高金利で貸し付けを行い、巨額な利息を得ていたことが判明。

以前摘発された組織に似た手口で、社会問題となったヤミ金の再発が浮上。

<独自>旧「五菱会」関係者か 3~17倍の超高金利でヤミ金営業 警視庁が4人逮捕

超高金利でヤミ金業を営んだとして、警視庁生活経済課は21日、貸金業法違反(無登録営業)などの疑いで、東京都大田区の無職、針谷恭輔容疑者(44)ら男女4人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。針谷容疑者は「五菱(ごりょう)会事件」と呼ばれ、平成15年に大規模な摘発を受けた指定暴力団山口組2次団体「五菱会」(当時)が運営していたヤミ金グループとの関係をほのめかしており、同課が組織の実態を調べている。

捜査関係者によると、針谷容疑者らは令和5年10月~6年2月、無登録で9人に約80万円を貸し付け、法定利息の約3~17倍となる約68万円の利息を受け取った疑いが持たれている。

集客はホームページで行い、電話を通じて顧客とやり取りして口座に入金。返済時には入金させた金を別の口座に移し替えた上で、出し子が引き出して駅などのコインロッカーに入れ、運び屋がさらに別のロッカーに移すなどして、捜査の目をかいくぐるように対策していたという。

針谷容疑者とともに逮捕された出し子と運び屋も、旧五菱会系の別のグループで債務を抱え、返済のために協力していたとみられる。

同課は針谷容疑者らが平成30年からの約6年間で延べ約1万5千人に約5億円を貸し付け、約6億円の利息を得ていたとみている。

■社会を食い物 手口変えて「出戻り」

「五菱会事件」では、指定暴力団山口組2次団体「五菱会」(当時)の実質ナンバー2で、〝ヤミ金の帝王〟と呼ばれた男を中心とした大規模なヤミ金組織が、バブル崩壊後の社会を食い物にしていた。徹底的な取り締まりでヤミ金組織は鳴りを潜めていたが、今回の摘発により、水面下でなおうごめく関係者たちの存在が浮上した。

かつての五菱会は、隠語などを使ってピラミッド型に築かれた組織を〝帝王〟の男が統括。顧客情報や集金を管理する「センター」の傘下に延べ1千以上とされる業者を置いて厳しい取り立てを行っていた。

平成15年6月には、大阪府の主婦ら3人が取り立てを苦に心中するなど悲劇は後を絶たず、多重債務による自殺者の増加が社会問題化。警察はトップを含め徹底的な摘発を進めた。スイスの銀行に50億円超の犯罪収益が隠されていたことが発覚するなど、大規模なマネーロンダリング(資金洗浄)を行い、暴力団の資金源となっていた事実は、社会に衝撃を与えた。