「倍で売る」高級腕時計の委託販売名目で詐取容疑 被害計75億円か

AI要約

警視庁が、「オーデマピゲ」腕時計を使った委託販売詐欺事件で、会社役員ら2人を逮捕した。被害総額は約75億円に上る。

逮捕された二人は、40都道府県の600人以上に対して腕時計を販売委託名目でだまし取っていたとされている。

被害者に対し、中国で時計を売却するなどの虚偽の説明をして購入させ、支払うはずの売却利益を一部しか払わず連絡を絶ったという。

「倍で売る」高級腕時計の委託販売名目で詐取容疑 被害計75億円か

 委託販売契約の名目で腕時計「オーデマピゲ」をだまし取ったとして、警視庁は4日、会社役員の出口貴浩容疑者(40)=東京都港区=ら2人を詐欺容疑で逮捕し、発表した。警視庁は認否を明らかにしていない。

 同庁によると、2人は2018年10月~23年3月にかけて、40都道府県の約600人に販売委託名目で腕時計を購入させて受け取っていたといい、被害総額は計約75億円に上るという。

 捜査2課によると、2人は共謀して18年12月上旬ごろ、埼玉県内の20代の男性に対し、出口容疑者が代表を務める会社に腕時計の販売を委託すれば、購入代金と売却利益の50%を支払うなどとうそを言い、腕時計(販売価格255万円)を購入させて、だまし取った疑いがある。

 2人は被害者らに購入を勧める際、「中国で倍にして売る」などと説明。さらに、ほかの客を紹介すれば、その顧客の腕時計の販売代金の10%を仲介料として支払うなどとも約束していた。購入させていた腕時計の大半は新品のロレックスで、オーデマピゲやパテックフィリップなどもあったという。

 被害者には売却利益の一部しか支払いがなく、2人とは連絡が取れなくなっていた。2人は被害者らから腕時計を受け取った直後に時計店で売却していたという。(比嘉展玖)