タワマンは地震が起こったらどうなる?「六本木ヒルズ」「麻布台ヒルズ」の森ビルに聞いた

AI要約

日本の地震に備えた高層タワーマンションの防災対策について森ビルの取り組みを紹介。

森ビルでは、建物の耐震性や自社設備による電力供給停止対策など、地震時の安全性を重視している。

災害時の行動指針や救助対象者の優先順位など、住人への情報提供やサポートも行われている。

タワマンは地震が起こったらどうなる?「六本木ヒルズ」「麻布台ヒルズ」の森ビルに聞いた

地震大国と言われる日本。住まい選びでも、地震が発生した際の影響を考慮する人は多いだろう。

中でも高層のタワーマンション(タワマン)は、震災時に「揺れが大きくなり怖い」「エレベーターが止まるので避難が大変」というイメージもある。8月8日に発生した日向灘を震源とする地震の後にも、SNSではタワマンの震災時のリスクに関する投稿が見られた。

実際のところ、タワマンの防災対策はどうなっているのか。六本木ヒルズや、開業したばかりの麻布台ヒルズなど都心部で高級高層マンションを手掛ける森ビルに聞いた。

「基本は、地震があった時も室内にとどまってくださいとお伝えしています」

森ビルの広報担当者は、災害時の行動指針についてこう話す。

同社ではレジデンスの住人に対し、火災などで避難が必要な時を除き、災害時には基本的に自宅にとどまるよう伝えている。

その理由の一つは、建物そのものの安全性の高さだ。

「森ビルは、まず建物をとにかく強くするという考え方で作っています。多くの大型ビルでは、建築基準法で定められているよりも2段階ほど上の耐震性能で建設している。電力も、例えば六本木ヒルズでは発電プラントを保有するなど、自社設備によって電気の供給を止めない対策をしている」

森ビル災害対策本部災害対策室の細田隆氏はこう説明する。

ソフト面でも手厚い対策を施す。レジデンスの住人には入居時、簡易トイレやLEDライトなどが入った防災バッグが渡される。室内には災害時の行動などを示したガイドブックを備え付けている。

「それぞれの物件が建っている地盤や建物の基礎の構造、標高など基本的な情報からお示ししています。実際に災害が発生した時の対応については、頑丈な家具の下に隠れる、いきなり屋外に飛び出さないーといった基本的なことのほか、非常放送の誘導に従って行動していただくよう事前に説明している」(森ビル広報)

実際に揺れが起こった際には、独自開発したシステムで建物の被災度を推測して安全性を判定。その後の対応を決める判断材料としている。

ヒルズレジデンスは外国人居住者も多いため、日本語と英語に対応できるスタッフが常駐するほか、高齢者や体が不自由な人など、優先的に救助が必要な住人をあらかじめ把握しているという。