ノロノロ台風10号 過去最強クラスで北上中 気象庁も“最大級の警戒”呼びかけ いまだ進路読めず取材陣を翻弄 近畿への最接近は31日か

AI要約

台風10号が奄美地方を北上し、過去最強クラスの勢力に発達する可能性があることから鹿児島県に特別警報が発表された。

暴風や高潮の特別警報が出される中、風速が非常に強く、70mの最大瞬間風速が予想されている。

九州の西側を北上し、震度10号が中心気圧925ヘクトパスカルに発達している台風10号の進路は週末に近畿を通過する見込みで、特に湿った空気がかかり続ける地域には影響が出る可能性がある。

ノロノロ台風10号 過去最強クラスで北上中 気象庁も“最大級の警戒”呼びかけ いまだ進路読めず取材陣を翻弄 近畿への最接近は31日か

 依然、自転車並みの速度で奄美地方を北上している台風10号。

 気象庁は28日午後、鹿児島県に特別警報を発表しました。これまでに経験したことのないような災害が予想されるとして、最大級の警戒を呼びかけています。

 台風10号は“過去最強クラス”の勢力に発達する可能性が浮上しています。

 非常に強い勢力を維持したまま、28日夜にも中心気圧925ヘクトパスカルまで発達する見込みで、気象庁は鹿児島県に暴風・波浪・高潮の特別警報を発表しました。

 また、奄美と九州南部では最大瞬間風速が70mと予想されています。これは人が立っていられず、家が倒壊するおそれがあるほどの暴風です。

 (気象庁大気海洋部予報課 杉本悟史課長)「これまでに経験したことのないような暴風、高波、高潮が予想され、最大級の警戒が必要です。一部の家が倒壊するような猛烈な風が吹く見込みのため、暴風が吹き始める前に 頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れてください。土砂災害警戒区域などでは暴風が吹き始める前に避難することが重要です」

 28日午後4時過ぎの高知市・桂浜の様子です。

(中村想人アナウンサー)「桂浜の遊歩道では海側へ立ち入ることが禁止されています。強い横殴りの雨と風が降ったり止んだりを繰り返す不安定な気象状況です。桂浜で売店を営む女性は『お客さんは普段の5分の1以下』と話していました。神戸から来たという観光客は『明日バスが動いて帰ることができるか』と心配していました。JR高知駅前にある高さ8m以上ある発泡スチロール製の竜馬像も一時撤去されました。高知では、台風に対する準備が着々と進んでいます」

 岡雄介気象予報士によるこれからの予報です。

 台風10号は、今後も九州の西側の海上を北上する予想です。

 30日(金)の午後3時には、周防灘周辺に中心がやってきて、31日(土)の午後にかけて近畿へゆっくりと近づいてきそうです。9月1日(日)にかけては、動きがより遅くなって影響が長引くという恐れもあります。

 今回、台風10号は最強クラスへ発達をしていく予想です。台風は反時計回りに風が回り込んでいますので、南側からの風がずっと太平洋沿岸に吹き付け続けることになります。特に四国山地や紀伊山地付近は、ずっと湿った空気がかかり続けて積算の雨量がかなり多くなる恐れがあります。また播磨地域などでも、雨の量が増えていく恐れも出てきています。

 台風10号周辺の風が弱いため、進路を読みづらい状況は今後も続く見通しですが、週末にかけてゆっくりと近畿へ近づいてくることは間違いありません。