「開かれた総裁選を」自民神奈川県連が要求 小泉氏推す市議も、野党側「顔のすげ替え」

AI要約

岸田文雄首相が自民党総裁選への不出馬を表明し、神奈川県政界に衝撃が走った。

信頼回復のためには党員参加型の開かれた総裁選を要求する声が上がっており、野党からは厳しい意見も出ている。

各政党の代表や知事らからは、今後の自民党の方向性や影響について異なる意見が表明されている。

「開かれた総裁選を」自民神奈川県連が要求 小泉氏推す市議も、野党側「顔のすげ替え」

岸田文雄首相が14日、自民党総裁選への不出馬を表明したことに神奈川県政界にも衝撃が走った。5月の小田原市長選で自民推薦候補が敗北したことなどを受け、党本部への不満がたまっていた県連は信頼回復に向けて「党員参加型の開かれた総裁選」を要求する意向を示した。一方、野党の県組織からは「顔のすげ替え」など厳しい声が上がった。

■横浜市連会長「英断」

自民県連の梅沢裕之幹事長はコメントで「大変重く受け止めている。これまでの党運営、政権運営に敬意を表したい」とする一方、「党員参加型の開かれた総裁選挙の実施を求め、政治の信頼回復につなげられるよう努めていく」と表明した。

信頼回復に言及する背景には、逆風への危機感がある。小田原市長選で自民などが推薦した候補は現職だったが、2万票以上の差をつけられて大敗。直後に横浜市内で開かれた党の政治刷新車座対話では派閥の政治資金パーティー裏金事件の影響を懸念し、「次期衆院選で最悪の結果になる恐れがある」などの声が上がっていた。

6月の横浜市連の大会で首相の退陣を要求していた佐藤茂市連会長は「後進に道を譲る英断。有終の美を飾る最良の政治判断だと思う」と評価。「新進気鋭の方、若い力で刷新してほしい。身近な方が総裁になれば、応援しやすい」と述べ、県連会長の小泉進次郎元環境相を次期総裁候補に挙げた。

■「身内に追い込まれた」

公明党県本部の佐々木正行幹事長は「自民党派閥の政治資金問題や秘書給与詐取の疑いなど、国民からの不信を招く事態が続いている。公明党は今後も指摘するべきところは指摘し、政界浄化と国民から信頼される清潔な政治を貫いていく」とコメントした。

立憲民主党県連の青柳陽一郎代表は、不出馬表明を「全く支持率が回復できず、国民にも身内にも追い込まれた」と批判した。次期衆院選については「(新総裁が)解散というなら、受けて立つ。国民のみなさんには誰が(総裁に)なろうとも表紙が変わっただけというところを見てもらいたい」と語った。

日本維新の会の県組織にあたる神奈川維新の会の金村龍那代表は「党内の権力闘争の果ての決断と言わざるを得ない。自民党の顔をすげ替え、目先を変える小手先の政治の印象は拭えない。長老政治からの脱却、令和の政治をリードするためにも維新が世代交代を牽引(けんいん)していく」とコメントした。

黒岩祐治知事は定例記者会見で「非常にびっくりした。(自民党が)どんな風に変わるか見極めていきたい」などと述べた。(高木克聡)