歩かず利用、名古屋市条例が定着 エスカレーターの独自施策

AI要約

名古屋市でのエスカレーター利用の新しい取り組みについて。市民の間で定着し、人工知能を活用した啓発施策や音声装置の導入により効果を上げている。

市営地下鉄伏見駅に設置されたエスカレーター利用注意装置について。歩く人と立ち止まる人に合わせた注意を促す仕組みが紹介されている。

AIを使った立ち止まって利用を促す装置の開発や、市内15の駅での啓発活動により、歩いて利用する人が減少している。

 エスカレーターで歩かず、立ち止まって利用することを義務付けた名古屋市の条例が市民の間で定着してきた。市は人工知能(AI)を活用し、人の動きに合わせて音声で注意を呼びかける装置や、立ち止まって2列で乗るよう促す啓発スタッフを駅に配置するなど独自の施策を展開。市の分析では、立ち止まって利用する人は9割超に上っている。

 「条例違反です。立ち止まってご利用ください」。市営地下鉄伏見駅に1月、エスカレーターに乗った人の動きをセンサーが検知し、安全な利用を呼びかける装置が設置された。歩く人には注意し、立ち止まると「ご協力ありがとうございます」と音声が流れる。

 同市のベンチャー企業「来栖川電算」が開発した。利用者の位置情報をAIが分析し、左側に立つ人が続くと「2列で立ち止まってご利用ください」と伝える。設置後、伏見駅で歩いて利用する人は半減したという。

 取り組みはITの活用にとどまらない。昨年10月の条例施行後、市内15の駅で「なごやか立ち止まり隊」が定期的に活動している。