ダメ会社員からいきなり大ブレイク…!『リト@葉っぱ切り絵』無名アーティスト時代の意外な「苦悩と葛藤」

AI要約

30代に入るまでは、毎日のように失敗しては怒られっぱなしの会社員だったのに、いまやSNSのフォロワー70万人以上。

2024年6月には、葉っぱ切り絵を始めてわずか4年にして、多くのアーティストが夢とする個人美術館をオープン。7月には3冊目の作品集が発売に。

なぜこの奇跡が生まれたのか。本人に、これまでの道のりを振り返ってもらった。

30代に入るまでは、毎日のように失敗しては怒られっぱなしの会社員だったのに、いまやSNSのフォロワー70万人以上。

世界中から日々「あなたの作品に癒されます」「素敵な作品をありがとう」とメッセージが届き、日本はもちろん各国のメディアで取り上げられてきた葉っぱ切り絵アーティスト・リトさん。

2024年6月には、葉っぱ切り絵を始めてわずか4年にして、多くのアーティストが夢とするであろう個人美術館「LITO LEAF ART MUSEUM FUKUSHIMA」をオープン。7月には3冊目の作品集『葉っぱ切り絵いきものずかん』が発売に。

なぜこの奇跡が生まれたのか。本人に、これまでの道のりを振り返ってもらった。

「運命を変える出会い」というものがあるのだとしたら、僕にそれが訪れたのは30代半ば、2020年頭のことだった。

そこから10年ちょっとさかのぼって、大学を卒業した僕が就職したのは、フードサービスの関連会社。普通に学生生活を送り、普通に会社員になった、と思っていた僕は、社会人になってはじめて、周りとの足並みの合わなさに愕然としていた。

要領が悪く、言われたことを忘れ、「どうしてこんなこともできないの!?」と怒られる毎日。7年勤めたけれど状況は悪化するばかりで、2回転職するも、失敗ばかりなのは変わらない。

「こんなに一生懸命仕事をしているのに、なぜなんだろう?」とあれこれ調べてたどり着いたのは、発達障害の一種・ADHD(注意欠如・多動性障害)だという病院での診断結果だった。

仕事ができないのは自分の努力不足のせいではない、と肩の荷が下りた僕は、10年近い会社勤めを2018年にやめた。苦手なことを頑張らなければならない場所ではなく、得意を生かせる道で生きていこう、と決意したのだ。

ADHDの特性のひとつ「過集中」。ひとつのことに没頭すると周りが見えなくなり、臨機応変な対応やマルチタスクができないこの特性は、会社員時代には怒られる原因となっていた。

一方で、細かい作業に何時間でも集中していられるというのは、アート活動するうえでは大きな強みになるのではないか、という仮説を立てたのだった。

ただ、小学校のときにお絵描きが好きだったくらいで、絵の勉強なんてしたことなかった僕は、とにかく緻密さで勝負するしかない。

SNSを就職活動の場として、ボールペンの細密画やスクラッチアート、石粉粘土絵付けなど、あらゆるアートにチャレンジ。毎日のように投稿し続けた。

けれど、そう簡単にはいかず、思ったような反応は得られない。「アートを仕事にすることなんてできないんだよ」という周囲からの声が刺さり、預金残高はいよいよ2万円に、という絶体絶命の状況に立たされてしまった。

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…つづく<無名から大ブレイク…!アーティスト『リト@葉っぱ切り絵』わずか7ヵ月でフォロワー4倍に至った「意外な秘策」>では、そんなリト@葉っぱ切り絵さんがなぜ世界から絶賛されるアーティストになったのか、その奇跡的な出会いをお伝えします。

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