薬販売「ヤミ露店」対策へ 大阪・西成、乱用助長か

AI要約

大阪市西成区の日払い労働者の街、あいりん地区の「ヤミ露店」が問題になっている。医薬品の無許可販売が行われ、若者らに流れている可能性もある。識者は違法薬物の入り口になる可能性があると指摘している。

府警が取り締まり強化に乗り出した背景には、薬の過剰摂取が社会問題化していることがある。過去には薬が若者に渡り、オーバードーズの助長につながったケースもあるという。

ヤミ露店では、不定期にDVDや医薬品を販売しており、警察の取り締まりが厳しくなっている。許可なく薬を販売する男性が逮捕されるなど、警察が対策に乗り出している。

 大阪市西成区の日雇い労働者の街、あいりん地区の「ヤミ露店」が問題になっている。医薬品などが無許可販売され、大阪・道頓堀の「グリ下」に集まる若者らに流れている可能性もあるという。薬の過剰摂取(オーバードーズ)は社会問題化しており、識者は「違法薬物の入り口になる」と指摘。大阪府警も取り締まり強化に乗り出した。

 「クスリここにあるで」。7月上旬の日曜日。空が白み始めた午前4時過ぎ、あいりん地区の路上で自転車に乗った高齢男性が記者に話しかけてきた。

 地区の一角で不定期に開催される「ヤミ露店」。この日は10人ほどがDVDや医薬品を地面に並べ、通りかかる人に声をかけていた。「最盛期はもっと人がいたけど、今は全然。警察が厳しくなった」。露店を出していた男性が口にする。

 府警は6月、西成区のヤミ露店に販売目的で睡眠導入剤を陳列したとして男を逮捕した。対策に乗り出した背景にあるのは、こうした薬の存在だ。府警によると、過去には露店で販売された薬が若者に渡り、オーバードーズの助長につながった事例もあるという。