全国98進学校 海外名門大合格実績 受験生たちの視線は世界へ 海外名門大に強い学校は?

AI要約

グローバル化が進む中、高校卒業と同時に海外の大学に進学するケースが増えている。開成や灘などの進学校も、東大や京大に加えて海外名門大に合格者を輩出している。

世界大学ランキングでは、英国と米国の大学がトップ10を独占しており、アジアからは清華大や北京大などが上位にランクインしている。東大と京大が日本を代表してトップ100に入っているが、日本の大学の現状に危機感が広がっている。

教育ジャーナリストの小林哲夫さんによると、東大は順位を上げたものの、交付金減少や論文数不足などの課題が残っており、日本の大学が国際的な競争に取り残される可能性がある。

全国98進学校 海外名門大合格実績 受験生たちの視線は世界へ 海外名門大に強い学校は?

 コロナ禍で制限されていた時間を取り返すかのように、社会のグローバル化が再び加速している。優秀な受験生が海外の大学へ直接進学するケースも、今や珍しくなくなってきた。海外大に強い学校はどこか、探ってみよう。

 グローバル化が進む中、高校卒業と同時に海外の大学に進学するケースが増えている。43年連続で東大合格者数1位の開成も例外ではない。

 各校へのアンケートの回答をもとに集計した、66㌻から始まる「全国98進学校 海外名門大合格実績」をみてほしい。開成は、東大・京大や早慶に加えて、コロンビア大やトロント大など海外大にも合格者があり、コロンビア大とメルボルン大には進学者を出している。開成と並ぶ進学校の灘もマサチューセッツ工科大やワシントン大などに合格しており、マサチューセッツ工科大やノースウエスタン大などに進学者がいる。この2校のような東大や京大に普通に進学できる学校から海外大を目指す背景には、グローバル化が進み、東大や京大を凌(しの)ぐ世界の大学が身近になってきたことがあるのではないか。

 65㌻の表は、英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した2024年版の世界大学ランキングだ。

 トップは前年に引き続きオックスフォード大。2位は、高校野球で活躍した佐々木麟太郎選手が花巻東から進学したスタンフォード大だ。3位は、前年の5位から順位を上げたマサチューセッツ工科大。4位はハーバード大、5位はケンブリッジ大という並びだ。トップ10までは全て英国と米国の大学だ。

 アジアの大学はどうか。トップは12位の清華大、次いで14位の北京大と、中国の大学が並ぶ。アジア3位はシンガポール国立大。日本トップの東大は世界29位、アジアでは4位という立ち位置だ。京大は世界55位で、日本の大学からトップ100に入ったのはこの2校のみ。教育ジャーナリストの小林哲夫さんはこう話す。

 「東大は昨年の39位から10も順位を上げましたが、実は特筆すべき成果を出したというわけではありません。交付金の減少や、論文数の不足という現状は改善されないままで、円安での国力低下もあいまって、日本の大学が世界に取り残されてしまうような危機感があります」