自民都連会長辞任の萩生田氏、幹部の引責を見送る立民とは一線

AI要約

自民党の萩生田光一前政調会長が大敗を受け、自民東京都連の会長を辞任することを表明。

都議補選での惨敗や不記載事件の影響が指摘され、萩生田氏は責任を取る姿勢を示す。

自民党の実力者の辞任は痛手だが、野党第一党への牽制としても機能する可能性がある。

自民都連会長辞任の萩生田氏、幹部の引責を見送る立民とは一線

自民党の萩生田光一前政調会長は16日、東京都議補欠選挙(7日投開票)の大敗を受け、自身が務める自民東京都連の会長を引責辞任すると表明した。萩生田氏は敗因とされる自民の派閥パーティー収入不記載事件で処分を受けており、党内から責任を問う声が上がっていた。退く時期は都連が来月以降に後任の会長を選定した後となる。

■地元の八王子でも大敗

「(都議補選の)指揮をとった私の責任は大きかった。選挙の結果を踏まえ、責任を取らざるを得ないと決断した」。萩生田氏は16日の都連幹部会合後、党本部で記者団にこう述べた。

都議補選で自民は8選挙区に公認候補を擁立したが、選挙前の5議席を大きく下回る2議席の獲得にとどまった。萩生田氏の地元の八王子市選挙区でも大敗。不記載事件が尾を引いていることが浮き彫りとなり、萩生田氏も16日、「結果を出せなかったのは国政のさまざまな影響もあった」と認めた。

■来年の都議選「戦えない」

萩生田氏をめぐっては、7日投開票の都知事選で3選を果たした小池百合子知事と協調関係を築き、自民の支援を結実させたとして「調整力、交渉力は余人をもって代えがたい」(自民関係者)との評価が根強い。

しかし、来年は都議選や参院選が行われ、次期衆院選の年内実施も取り沙汰されている。そうした中、都連内では「『萩生田氏では本選(来年の都議選)を戦えない』という見方が大勢になっていた」(幹部)という。

■立民は都連会長ら続投

自民にとって実力者の辞任は痛手だが、結果的に「トップが政治責任を取った」という事実は野党第一党への牽制(けんせい)となり得る。立憲民主党は都知事選で支援した前参院議員の蓮舫氏が3位に終わったにもかかわらず、都連会長の長妻昭政調会長や都連幹事長の手塚仁雄衆院議員は続投する方向だからだ。

自民中堅は「われわれはきちんと責任を取る。萩生田氏が辞めたことで政党としてのあり方の違いを示せた」と強調。立民関係者も「(長妻氏や手塚氏の進退は)都連で判断すべきことだが、萩生田氏と比べられてしまうだろう」と懸念を示した。(永井大輔)