《博多刺殺事件》「同じグループの女性に手を出すのはご法度。それが中洲のルールです」元交際相手の女性(38)を刺した男(31)が裏切った”店長の信頼”《懲役20年》

AI要約

博多女性刺殺事件に関する禁断の恋と悲劇の結末が明らかになった事件。元交際相手によって襲われた川野美樹さんの遺体からは強烈な殺意が伺え、悲劇の元凶である寺内進被告の懲役20年の判決が確定した。

福岡市の中洲で出会った2人の関係は、破局後に寺内被告がストーカー化し警察に発覚。中洲のルールを破った恋が最悪の結末へと導かれた悲劇を描く。

寺内容疑者の関西ノリで紳士的ながら、酔いがまわると粗暴な一面を持つ性格や、川野さんとの恋愛関係についての証言が明かされる。事件の背景と動機に迫る。

《博多刺殺事件》「同じグループの女性に手を出すのはご法度。それが中洲のルールです」元交際相手の女性(38)を刺した男(31)が裏切った”店長の信頼”《懲役20年》

〈《博多女性刺殺事件》「彼女は中洲の高級ラウンジの人気者、容疑者の男は…」被害女性(38)の遺体に残された“強烈な殺意”の痕跡と、容疑者(31)の女性への扱いが滲む写真《懲役20年》〉 から続く

 2023年1月、JR博多駅付近の路上で、会社員の川野美樹さん(当時38)が元交際相手の寺内進被告(32)に包丁で複数回刺され、死亡した事件。7月16日、福岡地裁で言い渡された懲役20年の判決を検察・弁護側双方が控訴せず、寺内被告の刑が確定した。

 川野さんとの破局後、職場で待ち伏せするなど“ストーカー状態”にあったという寺内被告。2人に一体何があったのか。凄惨な事件を詳報した記事を再公開する。(初出:文春オンライン 2023年1月20日掲載 年齢・肩書等は公開当時のまま)

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「中洲では、同じお店や同じグループ内で働く女性に手を出すのは御法度です。普通なら寺内容疑者は罰金を払ってすぐにクビになり、川野さんも罰金など何らかのペナルティを受けていたはずでした。それが中洲のルールです。しかし今回は、上層部は2人の交際に気づいていたものの、店長が自分の責任で面倒を見るということで預かった。それがこんな結果になってしまうなんて……。グループも店長も裏切った寺内容疑者は最悪です」(川野さんや寺内容疑者と同じ系列店で働く女性) 

 福岡最大の歓楽街・中洲を舞台にした禁断の恋。しかし寺内進容疑者(31)と川野美樹さん(38)の関係は、破局後に寺内容疑者がストーカー化したことで警察沙汰となってグループに露見した。そして1月16日、川野さんがJR博多駅前で刺されて死亡するという最悪の結末を迎えてしまった。

 2人の出会いは2022年。川野さんは博多駅近くの会社で事務職として働くかたわら、中洲の高級ラウンジにも時折出勤していた。同じ系列のバーに寺内容疑者が転がりこんできたのは昨年1月ごろのことだった。中洲の事情に詳しい関係者の男性はこう語る。

「体験入店みたいな感じでエンターテイメント系のバーで働きはじめ、間もなく他のバーの人手が足りないということで移ったのですが、どこかのタイミングで川野さんと出会ったのだと思います。寺内容疑者は『ボクシングをしている』『喧嘩が強い』と腕っ節をよく自慢していて、かなり酒に飲まれるタイプ。普段は関西ノリで紳士的だけど、酔いがまわると粗暴な面が出てくる。川野さんと付き合い始めたのは春頃でしょう」