混入した異物をAIで分析 アプリを群馬県職員が開発 食品工場のコスト削減に貢献

AI要約

群馬県立産業技術センターの職員が開発した異物分析アプリ「Corette(コレッテ)」が、食品工場などで異物混入の問題解決に役立つとして販売が開始された。

アプリはAIを活用し、異物を特定して分析することが可能であり、従来の方法に比べてコストと時間を大幅に削減することができるとしている。

開発チームは異物の種類や精度をさらに向上させるためにアップデートを予定しており、県職員が実務的な課題に対して革新的な解決策を提供する姿勢が評価されている。

混入した異物をAIで分析 アプリを群馬県職員が開発 食品工場のコスト削減に貢献

食品工場などで製品に異物が混入した際、AI(人工知能)を使って異物を分析するアプリを群馬県立産業技術センターの職員が開発、12日から販売を開始した。従来は混入を確認しても、その特定に多大な時間や労力がかかっており、アプリはそうしたコストを大幅に低減できるという。

県職員がAIを駆使してアプリを開発、販売するのは極めて珍しく、この日、会見した山本一太知事は、「全国初の取り組みと思っている」と胸を張った。

異物分析アプリ「Corette(コレッテ)」を開発したのは、同センター繊維工業試験場企画連携係長の田島創さん、電子機械係主任の町田晃平さん。

仕事柄、異物に関して問い合わせを電話で受けるケースが多く、高度解析する前に異物自体を絞り込む必要があるが、これに非常に手間がかかることから考案した。異物として植物片や焦げ、骨、結晶などの無機物や甲殻類、虫など12種類を想定し、それぞれの写真各1000枚を撮影してAIに学習させ、特定できるようにした。異物をアプリを使って撮影すると推定結果が示される。

月額2000円。ダウンロードはApp Storeで「Corette」と検索して。田島係長は「今後も異物自体の種類や精度を増やすほか、AI自体も進化するので、アップデートを進めたい」。山本知事は「県職員が事業者の課題に向き合い、解決策を示したという点も貴重だ」と強調した。