「自民にも “石丸” を!」党内で吹き荒れる「若手総裁」待望論…白羽の矢が立った「進次郎以外」4人の名前

AI要約

都知事選で自民党が大敗したことで、若手議員の台頭が求められるようになった。石丸伸二氏の健闘が影響して自民党内での風向きが変化している。

自民党内で次期総裁候補に小泉進次郎氏をはじめとする中堅・若手議員の名前が挙がっており、若返りが求められている。

特に注目されている候補に福田達夫氏がおり、安倍派の糾合により中心になる可能性があるが、他の候補と比べて年齢が上である点が課題となる。

「自民にも “石丸” を!」党内で吹き荒れる「若手総裁」待望論…白羽の矢が立った「進次郎以外」4人の名前

 7月7日におこなわれた東京都知事選は、自民党が “ステルス応援” した現職の小池百合子知事が3選を果たしたが、同日に投開票された都議補選では、自民党は9選挙区のうち8選挙区で候補を擁立したものの、2勝6敗の大惨敗。「裏金事件」の渦中にいた萩生田光一氏の地元・八王子市でも大敗を喫した。

 この結果を受け、岸田文雄首相は8日、視察先の岐阜県恵那市で記者団に「結果は真摯に受け止め、今後に生かさなければならない」と語ったのだが――党内からは「岸田さんがこの結果を今後に生かすことはない。なぜなら『次』は違う顔になるからだ」という冷ややかな声があがっているという。

「9月の総裁選では、岸田さんに代わる新しいリーダーが選ばれるというのが既定路線です。

 報道各社の世論調査では、新総裁候補に石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相、河野太郎デジタル担当相などの『常連』にくわえ、上川陽子外務相、高市早苗経済安全保障担当相などの名前があがっていますが、実は都知事選の結果を受けて、中堅や若手を推す声が俄然、高まってきたのです」(政治担当記者)

 都知事選の何が、若手推しにつながったのか。前出・政治担当記者は苦笑交じりにこう話す。

「広島県安芸高田市長だった石丸伸二氏の健闘ぶりですよ。立候補表明直後は、失礼ながら得票数が投票総数の10%に届かない『供託金(300万円)没収グループ』と見られていました。

 ところが、選挙戦が終盤に近づくと、無党派層を中心に、インターネットも連動してものすごい盛り上がりを見せました。結果は2位。まさに『石丸ショック』です。

 これで、政治とカネの問題で選挙に不安を抱える自民党の若手議員から『時代は変わった。わが党も若返りが必要だ』との意見が噴出したのです。

 この『自民党にも “石丸” を!』という風向きは、短絡的といえばそのとおりですが……」

 では、総裁候補としてどのような中堅・若手の名前があがっているのか。党内の情報を総合すると、小泉進次郎氏(43・当選5回)を筆頭に、5名に白羽の矢が立っていることがわかった。小泉氏以外の4人の名前は以下のとおりだ。

●小林鷹之前経済安全保障担当相(49・当選4回)

 岸田首相と同じく開成高校出身で東大法学部卒・元財務官僚

●小倉将信前こども政策担当相(43・当選4回)

 東大法学部から日銀入行、都連の公募から衆院議員に

●福田達夫元総務会長(57・当選4回)

 祖父と父が首相を務めたサラブレット

●齋藤健経済産業相(65・当選5回)

 農林水産相・内閣府特命担当相を歴任した

 この「若手総裁待望」は、大きなうねりになるのだろうか。政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう分析する。

「今のところは『模索している』という状況です。自民党に逆風が吹き、選挙が危ないので、自分たちが有利になるため『こぎれいな表紙は誰か』を探しているところです」

 そして、名前があがったなかでは「福田達夫さんに注目しています」という。

「各分野の専門家を招き、20人程度の議員を集めて勉強会をよく開いています。人の話をよく聞く方ですね。評価は高いですよ。

 そして、裏金問題でバラバラになった最大派閥の安倍派(清和会)ですが、もともとは福田さんの祖父が結成しました。もう一度、安倍派糾合ということになれば、福田さんが中心になるのは間違いない。

 ただ、今のところ安倍派以外に支持が広がる様子はありません」(伊藤氏)

 はたして、この5人のなかから “自民の石丸” は誕生するのか。とはいえ、いずれの候補者も石丸氏(41)より年上なのだが……。