八木山ベニーランド「海賊船パイラット」引退 国内最後の旧西ドイツ製 4月に装飾物落下事故

AI要約

仙台市太白区の八木山ベニーランドは、40年以上にわたって人気を集めたアトラクション「海賊船パイラット」の引退を決めた。4月12日に装飾物が落下する事故が発生。船体の老朽化や安全性を考慮し、再開を断念した。2026年春、新たな海賊船を導入する。

事故は経年劣化で、船体のマストと水夫人形が乗客2人のそばに落ちた。ベニーランドは、船首と船尾をつる支柱の連結部分にある一部の腐食も確認。船体を交換する場合は高額になる上、油圧ポンプ、モーターの製造が既に終わったことも勘案して断念した。

パイラットは旧西ドイツのHUSS社が製造し、1982年に導入された。45人乗りで最大75度左右に振れる。「スリル感覚100%絶叫マシン」をうたい、26機あるアトラクションで常にトップ3に入る人気ぶり。最盛期には年間20数万人がスリルを堪能した。

八木山ベニーランド「海賊船パイラット」引退 国内最後の旧西ドイツ製 4月に装飾物落下事故

 仙台市太白区の八木山ベニーランドは、40年以上にわたって人気を集めたアトラクション「海賊船パイラット」の引退を決めた。4月12日に装飾物が落下する事故が発生。船体の老朽化や安全性を考慮し、再開を断念した。2026年春、新たな海賊船を導入する。

■「42年間ありがとう」常連客が横断幕も 

 事故は経年劣化で、船体のマストと水夫人形が乗客2人のそばに落ちた。ベニーランドは、船首と船尾をつる支柱の連結部分にある一部の腐食も確認。船体を交換する場合は高額になる上、油圧ポンプ、モーターの製造が既に終わったことも勘案して断念した。

 パイラットは旧西ドイツのHUSS社が製造し、1982年に導入された。45人乗りで最大75度左右に振れる。「スリル感覚100%絶叫マシン」をうたい、26機あるアトラクションで常にトップ3に入る人気ぶり。最盛期には年間20数万人がスリルを堪能した。

 HUSS社製のパイラットは国内の遊園地から姿を消す。八木充幸園長(70)は「巨大なブランコのようで、スケール感があった」と惜しむ。

 6日にホームページで引退を発表。翌7日、常連客から「42年間楽しませてくれてありがとう」と書かれた横断幕が贈られた。

 八木園長は「事故を起こしたこともあり、どのような形で引退をお伝えすればいいかと悩んでいた」と厚意に感謝する。解体に先立ち、止まったパイラットで客の記念撮影に応じる企画を検討しているという。

 市に遊戯施設としての廃止届を近く提出し、今冬解体工事を行う。新海賊船は同じ場所に設置する方針で、今後選定を進める。

 八木園長は「次の海賊船でも空中浮遊感を味わってほしい」と話した。