「忌避感生んだ」蓮舫氏、濃密な立共共闘で無党派層が離反 支持は石丸伸二氏の半分以下

AI要約

立憲民主党支援の新人が3位に沈んだ東京都知事選。無党派層の支持を得られなかったことが要因。

共産党の支援を受けた立民候補には忌避感が生じ、無党派層が遠ざかった。

共産との共闘で無党派層を取り込む戦略が逆効果に終わった可能性もある。

「忌避感生んだ」蓮舫氏、濃密な立共共闘で無党派層が離反 支持は石丸伸二氏の半分以下

7日投開票された東京都知事選で、立憲民主党の支援を受けた無所属新人の前参院議員、蓮舫氏(56)は、無党派層の支持を得られなかったことが3位に沈む要因となった。選挙戦では支援した共産党幹部らと一緒に街頭演説に臨む場面も多く、立民からは、立共が一体となって戦うような姿勢が「忌避感を生んだ」との指摘も出ている。

■東京15区補選から一変

共同通信の出口調査によると、今回の都知事選で「支持政党なし」と答えた人のうち、蓮舫氏に投票したのは16%。最多となった無所属新人の前広島県安芸高田市長、石丸伸二氏(41)の37%や、2位となった無所属現職の小池百合子氏(71)の30%から大きく引き離され、ここでも3位に甘んじた。

4月に行われた衆院東京15区補欠選挙では、共産の支援を受けた立民の新人、酒井菜摘氏(37)が同社の出口調査で、無党派層の投票先として26%の支持を集め、9人の立候補者のうち最多となっていた。

酒井氏は今回の蓮舫氏と同様に、共産の支援を受けていた。当時は自民党の派閥パーティー収入不記載事件への世論の批判が強く、自民にお灸を据えたいという無党派層の支援先が、野党第一党の候補に流れたとみられていた。

蓮舫氏は、自身の選挙でも同様の流れを期待したと思われる。ただ、今回の都知事選は、「共産のあからさまなすり寄りを許す場面が多すぎた」(立民中堅議員)との指摘は多い。

■野田氏と志位氏が同じ街頭に

共産都委員会は、告示前から「蓮舫さんを都政へ押し上げ」などと題した応援ビラをポスティング配布したほか、複数の共産幹部が立民幹部とともに街頭演説に臨むケースが頻発。5日夕には、共産の志位和夫議長と立民の野田佳彦元首相が同じ会場で演説に立つ場面もあったほどだ。

立民の関係者は「立民都連の中には、『都知事選は当選者1人の小選挙区制と同じ戦いだから、立民と共産の基礎票を確実に固めれば勝てる』という声があった」と指摘する。衆院東京15区補選の成功体験も、共産との共闘を後押ししたようだ。

しかし、都政とは直接関係ない革新的な主張まで織り交ぜる共産との共闘は、「無党派層に忌避感を感じさせるマイナス面の方が多かった」(立民衆院議員)と指摘する向きも多い。