知床事故、乗客家族が提訴 15億円賠償請求、札幌地裁に

AI要約

北海道・知床沖で2022年4月、観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没し20人が死亡、6人が行方不明となった事故で、乗客14人の家族計29人は運航会社に15億円の損害賠償を求め、札幌地裁に提訴した。

4月23日に発生した事故で一部の不明者の家族が原告となり、「認定死亡」の手続きを取った。被害者の家族は責任を追及する姿勢を示している。

乗客家族の弁護団が訴状の内容を説明し、家族自身も記者会見をして思いを述べる予定。一方で、甲板員の両親も会社に損害賠償を求める訴訟を提起している。

 北海道・知床沖で2022年4月、観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没し20人が死亡、6人が行方不明となった事故で、乗客14人の家族計29人は3日、運航会社「知床遊覧船」と桂田精一社長(61)に計約15億円の損害賠償を求め、札幌地裁に提訴した。事故を巡り、乗客家族による提訴は初めてとみられる。

 事故は22年4月23日に発生。不明者の一部の家族は原告となるため、法律上亡くなったものとする「認定死亡」の手続きを取った。7歳だった息子について手続きをした北海道帯広市に住む男性(52)は「自身で法廷に立ち、社長の責任を追及したい」と話す。

 家族の弁護団は3日午後、訴状の詳しい内容を説明する。また家族もオンラインで記者会見して、思いを述べる予定。

 事故を巡り、乗客家族とは別に、死亡した甲板員の曽山聖さん=当時(27)=の両親が昨年2月、会社側に計約1億1900万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。会社側は請求棄却を求めた。両親は国と日本小型船舶検査機構(JCI)にも賠償を求め提訴している。