コーチが至近距離から放ったノックが頭に直撃し大けが、元高校球児が賠償求め提訴

AI要約

和歌山商業高の硬式野球部に所属していた男性がコーチから受けたノックのボールが原因で大けがをし、後遺症に苦しんでいることが明らかになった。

男性は頭骨骨折や脳挫傷を負い、外傷性てんかんの後遺症が残っており、現在も通院を続けている。

男性と両親は慰謝料を求めて和歌山県と当時のコーチを相手に訴訟を起こし、5月28日に第一回口頭弁論が開かれる予定。

 県立和歌山商業高の硬式野球部に所属していた2016年3月、当時のコーチから受けたノックのボールが頭に当たって大けがをし、後遺症に苦しむ男性(25)が和歌山県と当時のコーチを相手取り、約4400万円の損害賠償を求めて地裁に提訴していたことがわかった。提訴は4月19日付。

 訴えによると、男性は1年生だった16年3月31日、グラウンドでの守備練習中に当時の監督が打ったボールを捕れずに倒れ込んだ。起き上がる途中、当時のコーチが至近距離から放ったボールが頭に直撃。頭骨骨折や脳挫傷などの重傷を負った。外傷性てんかんの後遺症が残り、今も通院を続けているという。

 男性側は、当時のコーチらが安全配慮義務を怠ったのが原因だと主張している。

 また、男性の両親は5月17日付で、県教育委員会と学校側の説明が遅れたり、不適切だったりしたとして、県と当時のコーチを相手取って慰謝料200万円を求める訴訟を起こした。

 二つの訴訟は併せて審理され、28日に第1回口頭弁論が開かれる。男性と両親の代理人を務める弁護士は「県教委の説明は十分とはいえなかった。なぜこうした事故が起こったのかを訴訟で明らかにしたい」としている。

 提訴について、県教委は「コメントは差し控える」としている。