香料の化学物質で呼吸疾患と提訴 労災の女性が勤務先を、東京地裁

AI要約

香料メーカーの理研香料工業で働いていた女性が、原料の化学物質であるジアセチルに暴露され、呼吸器疾患を発症。労災認定を受けたが、会社側は因果関係を否定している。

女性は大量のジアセチルを扱う作業をしており、呼吸困難の症状が現れ閉塞性細気管支炎と診断された。現在も休職中で通院治療を続けている。

女性は1300万円の損害賠償を求めて製造会社を提訴し、ジアセチルによる労災認定を受けた国内初の事例となっている。

 香料メーカーの理研香料工業(東京都港区)で製造業務に従事していた女性(33)が19日、原料の化学物質「ジアセチル」に暴露し呼吸器疾患になったとして、同社に約1300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。代理人弁護士によると、女性は国内初のジアセチルによる労災認定を受けたが、会社側は因果関係を認めていないという。

 訴状によると、女性は2015年6月から大量のジアセチルを調合して香料を製造する作業をしていた。18年1月ごろ呼吸困難の症状が出てジアセチルによる閉塞性細気管支炎と診断され、20年12月に労働基準監督署から労災認定された。通院治療は6年以上に及び現在も休職している。