「検察なめんなよ」発言の担当検事「不穏当だった」 国賠訴訟尋問で

AI要約

大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長が、捜査の違法性を訴えて国に賠償を求めている訴訟で、当時の捜査を担当した検事4人の証人尋問が始まった。

元社長は検察独自捜査に苦痛を受け、山岸氏の部下を取り調べた検事が尋問され、不適切な発言を認めた。

特捜部は元部下らの供述を基に山岸氏の関与を主張したが、供述の信用性を否定され、山岸氏は無罪となった。

「検察なめんなよ」発言の担当検事「不穏当だった」 国賠訴訟尋問で

 大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の元社長が、違法な捜査で苦痛を受けたとして国に賠償を求めている訴訟で、当時の捜査を担当した検事4人の証人尋問が11日、大阪地裁で始まった。検察独自捜査の担当検事が尋問されるのは異例。

 元社長は山岸忍氏(61)。この日は山岸氏の部下だった男性(59)の取り調べを担当した男性検事が出廷した。この検事は取り調べで「検察なめんなよ」と発言したことが明らかになっており、尋問で「不穏当だった」と述べた。

 尋問の冒頭、この検事による取り調べを録音・録画した一部映像が流された。約5分間の映像で「プレサンスの評判をおとしめた大罪人だ」などと元部下を追い詰める様子が映し出された。

 この事件で特捜部は山岸氏の関与を認めた元部下らの供述を立証の柱としたが、2021年10月の大阪地裁判決は供述の信用性を否定し、山岸氏に無罪を言い渡している。【木島諒子】