「もらいっぱなしでは…」 ホタテくれた1000キロ先の町に恩返し

AI要約

ふるさと納税で得た寄付金を使い、京都府亀岡市が北海道森町の子どもたちに亀岡牛の肉60キロを贈る。

森町が中国の輸入停止で困っていたところ、亀岡市が提供したホタテの恩返しとして実施。

ふるさと納税の寄付金を基金から充て、市内の介護サービス事業所にも新事業補助金を提供する予定。

「もらいっぱなしでは…」 ホタテくれた1000キロ先の町に恩返し

 京都府亀岡市は、ふるさと納税で得た寄付金を使い、1000キロ以上離れた北海道森町の子どもたちに亀岡牛のモモ・バラ肉あわせて60キロを贈る。同町は昨秋、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出で中国が日本産水産物の輸入を停止したため、事業者から特産のホタテを買い取り、全国の小中学校などに無償で提供。亀岡市は府内で唯一譲り受け、1月に学校給食で八宝菜に調理して味わった。亀岡牛ブランドのPRを兼ねた返礼という。

 送料を含む事業費は40万7000円。「府内では本市だけが提供いただいた。もらいっぱなしでは……」と桂川孝裕市長。森町の幼稚園2園、小学校5校、中学2校の子どもたちと教員あわせて約1000人の学校給食で、亀岡市のメニューと同じ牛丼にして食べてもらうという。1人当たりの牛肉は60グラム。7月10日ごろ発送し、同15日ごろ給食になる予定。

 ふるさと納税の寄付金による基金(3月末時点で24億8000万円)を使い、2024年度の補正予算事業として10日開会の6月市議会に提案した。

 ほかに、ふるさと納税の寄付金を充てる新事業では、市内の介護サービス事業所が外国人を1年以上継続して雇用する場合、初期費用の2分の1を、上限を1人につき25万円として事業所に補助する。【南陽子】