小2男児が同級生とぶつかり重傷、保護者が依頼するまで119番せず…校長「初期対応間違った」

AI要約

男児が頭を打った後、救急車を呼ぶまでに時間がかかり、保護者の要請がなければ遅れていたことが判明。

学校のマニュアルと異なる応急処置が行われ、校長が対応の遅れを認める。

校長は全教職員にマニュアルの周知徹底を図る方針を示し、保護者説明会で謝罪。

 愛媛県新居浜市の市立小学校で、2年生の男児が頭の痛みを訴えたにもかかわらず、教員が約45分後まで救急車を呼ばなかった問題で、養護助教諭が、学校の危機管理マニュアルの規定とは異なる応急処置をしていたことがわかった。男児は病院で頭部骨折、外傷性くも膜下出血の重傷と診断され、校長は「初期対応から間違っていた」と認めている。

 校長の説明によると、男児は5月24日午前8時頃、校庭で同級生とぶつかって転倒。養護助教諭が駆けつけると、男児は横たわったまま手足をばたつかせ、「頭が痛い」と泣いていたという。養護助教諭は「パニックで暴れている」と判断し、静かな所で落ち着かせようと、男児を立たせて保健室まで歩かせた。

 保健室では男児を椅子に座らせ、担任教諭と2人で様子を観察した。男児は 嘔吐(おうと)などの症状を訴えたが、2人は「頭を打ったせいではなく、泣き続けたことで呼吸が乱れたのが原因」と考え、男児の保護者が強く依頼するまで119番しなかったという。

 市教育委員会によると、市内の各小中学校は危機管理マニュアルを作成。男児が通う小学校の「学校危機管理マニュアル」には、頭部打撲の応急処置として「その場に横たえ、動かさない。頭は少し高めにし、冷たいタオルで冷やす」と書かれ、ショック状態は「静かな場所に座らせ、保温する」とされている。

 校長は「頭部打撲と言われた段階で、すぐに救急車を要請すべきだった。全教職員にマニュアルの周知徹底を図る」としている。

 この小学校では6日夜、保護者説明会が開かれた。関係者によると、校長は「命の危機があり、一刻を争う事故だった。児童やその家族に寄り添った言動を取るべきだった」と謝罪したという。