中条きよし氏「努力欠かしたことはない」芸能界での経験引き合いに引退後のキャリア支援要請

AI要約

中条きよし参院議員がスポーツ選手のセカンドキャリア支援について政府に訴え、文化や芸術分野でも同様の支援が必要と訴えた。

自身の芸能活動を振り返り、努力を重ねてきた経験から、引退後の人生に対する社会の迎え入れ態勢の整備が重要であると訴えた。

文科相は中条氏のお話に対し、かつての著名人のキャリアを引き合いに出して支援を約束し、中条氏は感謝の意を示した。

 日本維新の会の中条きよし参院議員は4日、参院文教科学委員会で質問に立ち、引退に追い込まれたスポーツ選手やのセカンドキャリアに関する支援のあり方について、政府の考えをただした。その中で、半世紀にわたる自身の歌手活動を振り返り、日ごろ重ねた努力に触れながら、文化や芸術分野でも同様に支援が必要と訴える場面があった。

 中条氏は、旧知の元格闘技選手が経済的不安を抱えながら闘病している境遇に触れ「『一芸に秀でたばかりにほかのことができない』という言葉に衝撃を受けた。幼い頃から努力を重ねて芸を磨いてきた人たちに、こういう言葉を言わせていいのかと心を痛めた」と述べ「スポーツ選手を育てるだけでなく、引退後の豊かな人生を送れるような視点をもって(支援の)政策づくりに臨んでいただきたい」と訴えた。

 また「スポーツに限らず、文化、芸術の分野でも同様の支援が必要なのではないか」とも指摘。藤井聡太8冠が活躍する将棋界に言及し「プロの棋士になるには原則、日本将棋連盟の奨励会の入会試験に合格し、26歳までに4段に昇段する必要があるがとても狭き門だ。勝負事で仕方ないとはいえ、相当な努力と才能を費やしても20半ばでプロをあきらめざるを得ないのが現実だ」と指摘した。

 芸能界の荒波を乗り切ってきた自身の活動にも言及。「私も芸能界で54年食べてきた。自分で言うのもなんですが、努力を欠かしたことはありません。いちばん大変だったのは劇場での1カ月公演。毎日芝居とショーが3時間で、出ずっぱりで声を出す。それが1日2回で6時間」「毎朝起きるたびに声が出るのか、つぶれていないかと本当に不安がつきまとった」とした上で「こういう文化の面でも、1つの道をあきらめざるを得ないということが、それぞれにあると思う。引退しても、社会の一員として迎え入れる用意があると、その努力は無駄ではなかったという社会にしていきたい」と訴えた。

 答弁に立った盛山正仁文科相は「中条先生の方から第2の人生への支援というお話があったが、この委員会の委員の先生にもそれぞれの分野でのご経験やすばらしい実績を上げている方がいる。ご指導をたまわれればと思っている」と、中条氏や、「SPEED」で活躍した今井絵理子氏(自民)らのキャリアを念頭に答弁した。

 中条氏は「ご親切にありがとうございます」と応じ「力添えをお願いしたい」とあらためて訴えた。