【トレンド変化か調整か】エヌビディア決算通過後に日米株価指数は13週移動平均線が下向き転換、「金利動向」に左右される展開へ

AI要約

多くの投資家に注目されたエヌビディアの2024年2-4月(2025年1月期第1四半期)の決算が5月22日に発表された。市場予想を上回る業績が確認され、同社の株価は上昇。一方で、日米の株価指数のトレンドには変化がみられる。

エヌビディアの決算結果は市場予想を上回り、株価大きく上昇。しかし、米株主要指数はマイナスに転じる場面も。中期トレンドが上昇から下降へ変化の可能性示唆。

NYダウと日経平均の移動平均線が下向きに転換し、株価位置関係で異なる状態。市場の動向には注意が必要。

【トレンド変化か調整か】エヌビディア決算通過後に日米株価指数は13週移動平均線が下向き転換、「金利動向」に左右される展開へ

 多くの投資家に注目されたエヌビディアの2024年2-4月(2025年1月期第1四半期)の決算が5月22日に発表された。市場予想を上回る業績が確認され、同社の株価は上昇。一方で、これまで上昇基調が続いてきた日米の株価指数のトレンドには変化がみられるという。その背景にあるものは何か。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんがテクニカル分析や経済動向をもとに解説する。

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 世界で最も注目された米主要半導体企業、エヌビディアの決算が発表されました。決算結果は市場予想を上回り、エヌビディアの株価は前日比で大きく上昇しました。しかし、同日の米株主要株価指数はマイナスに転じる場面もあり、多くの市場関係者にとって予想外の展開となりました。大きなイベントを通過した後の株式市場の注意点と、次に注目すべき点を見ていきましょう。

 エヌビディアの決算発表後の米国株式市場では、エヌビディアの急騰の影響を受け、5月第4週の終了時点でナスダック総合指数が史上最高値を更新しました。

 しかし、同じ週にNYダウは2.33%下落し、週足チャートにおける主要な移動平均線である13週移動平均線がわずかに下向きに転換しています。また、同じ週に0.36%下落した日経平均株価についても、13週移動平均線が下向きに転換しています。

 テクニカル分析では、移動平均線の方向性はトレンドの指標として重要視されます。最近、NYダウと日経平均で13週移動平均線が下向きに転換したことは、中期的なトレンドが上昇から下降へと変わる可能性を示唆しています。

 次に注目すべき点は「移動平均線と株価の位置関係」です。

 通常、株価が移動平均線の上で推移している場合、移動平均線が支持(サポート)役として機能しますが、株価が移動平均線の下にある場合は、その逆で移動平均線が抵抗(レジスタンス)として働きます。

 現在、NYダウは13週移動平均線の上に位置しており、相対的に強い状態を保っています。一方で、日経平均はすでに数週間前から13週移動平均線の下に位置しており、より脆弱な状態にあります。これは、日経平均が下降トレンドへ転換した可能性を顕著に示しており、これからの市場の動向には注意が必要です。