タワマン「催涙スプレー」強盗 男に懲役9年の実刑判決「真っ当な仕事などに取り組めば同じような人とつながれる。そういった人たちはあなたのピンチに手を差し伸べてくれる。その手を離さないで」と裁判長

AI要約

28歳の男が大阪市のタワーマンションで共犯者とともに男性に暴行を加え、7000万円を奪った事件で実刑判決を受けた。

被告は暴行を行ったが、指示者に脅されたと主張。裁判では過去の取引経緯も明らかにされた。

裁判長は更生を望み、真っ当な生活と仕事に取り組むように語りかけた。

タワマン「催涙スプレー」強盗 男に懲役9年の実刑判決「真っ当な仕事などに取り組めば同じような人とつながれる。そういった人たちはあなたのピンチに手を差し伸べてくれる。その手を離さないで」と裁判長

大阪市のタワーマンションで男ら7人と共謀して男性に暴行を加え、現金およそ7000万円を奪った罪に問われた男に対し、大阪地方裁判所は懲役9年の実刑判決を言い渡しました。

無職の高橋知輝被告(28)は去年7月、自身が住んでいた大阪市浪速区のタワーマンションのラウンジで男ら7人と共謀して商談に訪れた男性(当時62)に催涙スプレーをかけた上で頭を蹴るなどの暴行を加え、現金およそ7000万円を奪った罪に問われていました。

共犯者には、指示や実行などそれぞれの役割があり、高橋被告は被害者に現金を持って来させる役割だったとされています。

裁判で高橋被告は起訴内容を認めたものの「いざとなったら無理やり(金を)取るという話は聞いていましたが、暴力をふるったり傷つけたりという話は聞いていませんでした」と述べました。

また弁護側は、「指示役の背後にヤクザがいて、脅されていた」と主張し、刑を軽くするよう求めていました。

一方検察側は「被告は被害者と事件前から、暗号資産の取り引きをしていて、犯行当日も取り引きを持ちかけて現金を持参させた重要な役割で計画段階から関与していて、催涙スプレーを使用することも認識していた」と指摘していました。

29日の判決で大阪地裁(岩崎邦生裁判長)は「過去の暗号資産取り引きによる被害者からの信頼を逆手に取り、危険な暴行を加えて7000万円を奪い、回復に1カ月かかるケガをさせて被害結果は重大だが、一切弁済もしていない」と指摘し、懲役9年の実刑判決を言い渡しました。

そして裁判の最後に岩崎裁判長は「あなたは前回(別の詐欺未遂事件)、詐欺組織に利用され、今回も指示役に利用され、二度とこういうことにならないために地に足をつけて生活したいと言ったが、その意味を考えてほしい。真っ当な仕事・役割についてコツコツと取り組めば、同じような人たちとつながることができる。そういった人たちはあなたがピンチのときに手を差し伸べてくれる。その人の手を離さないで更生することを望んでいる」と話しかけました。