JR東など8社、「裏が黒い紙のきっぷ」の置き換えを発表 2026年度末以降にQR乗車券を導入

AI要約

鉄道事業者8社がQRコードを使用した「QR乗車券」に移行することを発表。

磁気乗車券からQR乗車券への置き換えを進め、環境負荷低減や旅客サービス向上を目指す。

2026年度末以降にQR乗車券サービス開始予定。

QR乗車券導入に際しては、8社共用のサーバーを導入し、会社間にまたがるQR乗車券の発券を可能に。

8社以外も磁気乗車券縮小などを共同検討。

日本国内の一部で既にQR乗車券導入済みで、磁気乗車券を全廃している。

JR東など8社、「裏が黒い紙のきっぷ」の置き換えを発表 2026年度末以降にQR乗車券を導入

 JR東日本など鉄道事業者8社は29日、QRコードを使用した「QR乗車券」により、磁気乗車券の置き換えを進めると発表した。

 置き換えを発表したのは、JR東日本のほか、京成電鉄、京浜急行電鉄、新京成電鉄、西武鉄道、東京モノレール、東武鉄道、北総鉄道。このうち、京浜急行電鉄と東武鉄道は、中期経営計画などの将来計画において、磁気乗車券の置き換えを既に発表していた。

 磁気乗車券は、自動改札機に通すことができる、裏が黒い紙のきっぷ。各社は、磁気乗車券のうち、自動券売機から発券する普通乗車券(近距離券)を、QR乗車券へと置き換える。これにより、従来のきっぷを自動改札機などに投入する方式から、きっぷに印刷したQRコードを自動改札機などのリーダーにかざす方式へと、利用方法を変更する。

 各社は、磁気乗車券を置き換える理由として、持続的なシステムへの移行、より環境にやさしい用紙への置き換え、旅客サービス向上の3点を挙げている。

 磁気乗車券に対応する自動改札機や自動券売機などの機器類は、機構の複雑さや鉄道固有の専門性の高さといった課題があるという。将来にわたり出改札機器による鉄道サービスを提供するため、各社ではQR乗車券への移行を進める。また、磁気乗車券の用紙には金属が含まれるため、リサイクル時には磁気層の分離・廃棄が必要となる。磁気乗車券をQR乗車券に置き換えることで、環境負荷の低減にもつなげる狙いだ。加えて、自動改札機などの券詰まりといった不具合の排除や、出改札機器のメンテナンス性の向上といった面でもメリットがあるとしている。

 QR乗車券の導入に際しては、QR乗車券の情報や、入場・出場などの利用状態を管理する、8社共用のサーバーを導入する。これにより、会社間にまたがるQR乗車券の発券が可能になるという。

 8社でのQR乗車券サービス開始は、2026年度末以降を予定している。各社では、連絡運輸で関係する他の鉄道事業者とも旅客サービス面での調整を進めているほか、今回の8社以外の鉄道事業者とも、磁気乗車券の縮小や、持続可能なシステムへの移行を、共同で検討していると説明している。

 日本国内では、福岡県の北九州モノレールと、沖縄県のゆいレールが、QR乗車券を導入済み。磁気乗車券を全廃している。