中国株ETFに投資マネー殺到、政府の支援策で先行き楽観

AI要約

中国株に連動する上場投資信託(ETF)にマネーマネジャーが殺到しており、政府支援策による市場心理の高揚が背景にある。

中国ETFへの資金流入が増加し、中国政府の財政面における様々な措置により投資家の楽観的な見方が広がった。

中国政府の住宅市場支援策が注目され、中国株は上昇。市場の信頼感向上が期待されている。

(ブルームバーグ): 中国株に連動する上場投資信託(ETF)にマネーマネジャーが殺到している。最近の政府による支援策が市場心理を高揚させたためだ。

5月17日終了週の資金流入額は「iシェアーズMSCIチャイナETF」(ティッカー:MCHI)を筆頭に、中国ETFが4億8800万ドル(約762億円)と、新興国市場で最大を記録した。ここ数カ月は中国経済への懸念から投資家が同国を除く戦略を求めたため中国エクスポージャーを持つファンドの資金流出が続いていたが、流れが急転換した。

ウェルズ・ファーゴの新興国市場FXストラテジスト、ブレンダン・マッケナ氏は、中国政府が特に財政面において、自国経済の下支えに向けさらなる措置を講じるとの楽観的な見方が強まったことがこうしたファンドへの資金流入につながったと分析した。

中国政府が低迷する住宅市場を支援する政策パッケージを発表したことを受け、中国株は20日に上げ幅を拡大した。17日に発表された支援策には、中国人民銀行による3000億元(約6兆4900億円)の融資枠があり、国有企業による売れ残こり住宅購入の支援に充てられる。

ブルームバーグ・エコノミクスのチーフ・アジアエコノミスト、チャン・シュウ氏は19日のリポートで、「この規模の介入はそれだけでは住宅供給に多少の効果をもたらすほど大きくないが、信頼感を高め市場を安定させるのに役立つ」と指摘した。

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原題:Traders Flock to China ETFs on Optimism Driven by Policy Support(抜粋)

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