REITの今と、これからどうなる?

AI要約
REIT(不動産投資信託)は投資家から資金を集め不動産への投資を行い、得られる賃貸料や売買益を分配する金融商品であり、市場価格の動きは利回りに影響されるREITは株式と同様に売買が可能であり、分配金利回りが4%前後と高いため投資家から支持を得ている不動産投資法人は高い分配金を提供する一方、借り入れリスクや価格の下落リスクがある
REITの今と、これからどうなる?

新NISA制度のスタートや日本の株式市場の活性化もあって、投資運用に関心を持つ人が増えているようです。そのような環境の中、「REIT(不動産投資信託)」は株式と同じように売買ができることや分配金の利回りが良いこともあり、一定の投資家の支持を得ている金融商品です。

今回は、REITについて、最近のREITの市場価格の動きを含めて解説していきます。

REIT(リート)とは、投資家から資金を集め、ビル・マンション・店舗などの不動産へ投資を行い、得られる賃貸料や不動産の売買益を投資家に分配する、投資法人が発行する証券のことです(※1)。

投資家は、個人の少額資金でさまざまな不動産のオーナーになることができ、運用は専門家に任せて成果の分配を受け取ることができます

REITを発行する投資法人には、その利益の90%超を分配すると課税されないというメリットがあるので、利益のほとんどが分配されます。その結果、株式配当に比べて高率の分配金となり、REITの分配金利回り(配当利回り)は4%前後になっています。

ただし、不動産投資法人は多額の借り入れをしていることが多いので、市場金利が上昇するときは利払いが増えることになります。その結果、REIT価格は利益減を見込まれることがあり、下落することも多いとされています。

また、不動産投資法人の発行するREITは、上場株式会社の株式と同様に元本保証はされていません。

ただ、実際に上場しているREITを発行する投資法人は、信用度の高い大手企業が運営しており、また投資物件はビル・マンション・流通店舗など経営状況がある程度分かる状態のものであるため、リスクはそれほど高くないとも言えるでしょう。

2024年3月現在、東証に上場しているREITは58銘柄あり(※2)、その全体の価格は、REIT指数として毎日公表されています。2021年から2024年3月までの動きを見てみましょう。

下表は、REIT指数、REIT利回り、長期金利(10年物国債利回り)、東証プライム(2022年までは1部)の配当利回りを年平均で表示したものです。