【ライバル比較】新型スペーシア ギア×デリカミニではプレミアムグレードとの比較なら良い勝負だが…

AI要約

新型スペーシア ギアと三菱デリカミニを比較した結果、ボディサイズやインテリア、パワートレインなどの面で共通点が多いが、車重や価格に差があることが分かった。

どちらもアウトドア志向の軽ハイトワゴンであり、使い勝手や装備面では似たような特徴を持っている。

しかし、新型スペーシア ギアは若干車重が軽く、価格もデリカミニより安いため、購入を検討する際には比較検討する価値がある。

【ライバル比較】新型スペーシア ギア×デリカミニではプレミアムグレードとの比較なら良い勝負だが…

2024年9月20日、スズキのアウトドア志向の軽ハイトワゴンとして人気のスペーシア ギアの新型が発売された。そこで同カテゴリーで有力な競合車種と目される三菱デリカミニと比較してみた。

TEXT●Motor-Fan.jp編集部 PHOTO●スペーシア ギア:井上 誠、SUZUKI/デリカミニ:中野幸次、三菱自動車

この9月20日に発売された新型スペーシア ギア。スズキの主力軽スーパーハイトワゴンであるスペーシアをアウトドア志向に仕立てた同モデルは、2018年の初代デビュー時から好評を博してきた。

他方、デリカミニは、2000年代の三菱の軽自動車の主力を担ってきたeKワゴンの4代目モデルから派生したSUVテイストの軽スーパーハイトワゴン、eKクロス スペースの後継車として2023年に登場した。後継車とは言え、デザインテイスト、4WDシステムとサスペンションの改良および最適化を除き、内容はほぼeKクロス スペースを踏襲しており、実質的には同車のビッグマイナーチェンジモデルとも言える。

デリカミニもスペーシア ギアと同様にSUV風のバリエーション・モデルであり、日常生活からレジャーシーンまで幅広い使い勝手を訴求すると共に、デザインはタフさ、ワイルドさを表現したものとなっている。つまりこの両者、各メーカーの主力軽ハイトワゴンのSUV風派生モデルという出自は「よく似ている」のだ。それでは両者をざっと比較してみよう。

ボディサイズを比べてみる

ボディサイズは寸法が規格化されている軽自動車ゆえに、新型スペーシア ギアもデリカミニもほとんど変わらない。全長3395mmと全幅1475mmは共通。全高もスペーシア ギアが1800mmであるのに対し、デリカミニは1800mm(FF)~1830mm(4WD)とほぼ同じだ。

車両重量については4WD+ターボモデル同士で比較すると、スペーシア ギアが960kg、デリカミニは1060kgと、実に100kgもの差がある。それ以外のグレードでもスペーシア ギアのほうが全体的に軽い。走りの面から見るとデリカミニがいささか不利かもしれない。

エクステリアは言うまでもなくそのコンセプトから、ゴツいバンパーやスキッドプレート風の加飾など、両者ともアウトドアを強く意識したテイストのSUV風に仕上げられている。

ドアは両車ともリヤを両側スライドドアとしており、狭いスペースにおいても優れた後席の乗降性が確保されている。

一見すると室内寸法はデリカミニの方が大きく思えるが、意外にもほぼ互角。デリカミニの方がわずかに長いものの、幅も高さもスペーシア ギアに譲る。もっとも実用上の差はほとんどないと言えるだろう。

インテリアを比べてみる

インテリアにおいても、両者ともアウトドアでアクティブに使用することを前提とした装備となっている。

スペーシア ギアもデリカミニも、シート表皮に撥水加工を施したファブリックを採用。スペーシア ギアは防汚タイプラゲッジフロアが装備され、砂や汚れを気にすることなく使えるクルマとなっている。デリカミニは最上位グレードのG PremiumのみPVCシートバックとなり、シートバックも撥水仕様となるほか、T PremiumおよびG Premiumのみ樹脂ラゲッジボードとPVC後席シートバックが装備され、ラゲッジフロアがスペーシア ギアと同等となる。

運転席の計器レイアウトはスペーシア ギアもデリカミニもメーター類をステアリング内側に見るオーソドックスな方式。大画面モニターがダッシュボード中央に設置可能な点も同じだ。ただし新型スペーシア ギアはヘッドアップディスプレイを装備する。

また、どちらの車種もショッピングバッグ用フックや各種トレーなど、日常生活のなかでの使い勝手を高める装備が充実している。今や必需品とも言えるUSBソケットも両車に備えられており、スペーシア ギアではインパネと後席右側に装備されて、それぞれType-AとType-Cがひとつずつ設けられているのが特徴。デリカミニの場合は助手席シートバックにType-Aが一口となる。

加えてスペーシア ギアは後席両側にパーソナルテーブルが装備されるが、デリカミニではT PremiumおよびG Premiumのみ助手席シートバックテーブルが装備される。

パワートレインを比べてみる

パワートレインは、スペーシア ギアもデリカミニも全車マイルドハイブリッドを採用。どちらも経済性に優れた直列3気筒ガソリンNAとパワフルなターボが選べ、いずれのエンジンもCVTと組み合わされる。さらに駆動方式についてもFFと4WDをラインナップしている点まで共通している。また、両者とも燃料は無鉛レギュラーガソリンだ。余談ながらエンジンの型式名まで似ている。

ピークのパワー/トルクは両者とも大きな差はない。しかしながらカタログ上での燃費性能については、わずかではあるが新型スペーシア ギアに軍配が上がる。おそらく先述の車重の差が効いているものと思われる。

ADAS関連については、どちらも衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などは標準装備としている。しかし、スペーシア ギアが全車速追従機能付ACCを標準装備としている一方で、デリカミニではT PremiumおよびG Premiumのみ標準装備となる。

価格を比べてみる

新型スペーシア ギアはデリカミニのプレミアムグレード相当の価格より微妙に安い設定になっている。デリカミニのノーマルグレードはスペーシア ギアより10万円以上は安くなるが、標準装備の差を考えると悩ましいところではないだろうか。