ミュージアムで知ったイギリスのサーキットの歴史。最先端のマシンが戦う場所で、過去に思いを馳せる

AI要約

イギリスGPを取材するために訪れたシルバーストン・サーキットの様子やイギリスの気候、ご当地の歴史、そしてMotoGPへの関心について述べられています。

過去と比べて気温の変化が激しく、四季が一日で過ごせるイギリスの気候について触れられています。

サーキットにあるミュージアムへの訪問や入館料、展示内容について述べられています。

ミュージアムで知ったイギリスのサーキットの歴史。最先端のマシンが戦う場所で、過去に思いを馳せる

 MotoGP第10戦イギリスGPを取材するために、わたし(筆者:伊藤英里)は「Silverstone Circuit(シルバーストン・サーキット)」を訪れました。バーミンガムからクルマで100kmほど南東に走ったところにあるサーキットです。ロンドンから向かう場合は、北西に130kmほど走ります。

 イギリスの夏は、年々亜熱帯のような気候になりつつある日本とは違って、8月でも朝夕は涼しい……どころか寒いと感じる日があるくらいです。

 昨年、イギリスGPを取材したときは寒かった記憶があります。1年前の『ぶら歩き』の記事を掘り起こしてみると、「曇天の下、サーキットの中をぶらぶらと歩いたイギリスGPの金曜日、わたしは長袖シャツの上にパーカーを着て、ボトムスの下に60デニールのタイツを履いていた」と書いていました。そうそう、そのくらい寒かったのです。

 今年は木曜日と金曜日は寒いどころか晴天で気温が上がり、汗をびっしょりかいて歩き回っていました。けれど土曜日、日曜日にはだんだん気温が下がって、長袖のパーカーなしには外を歩けない気温になりました。朝夕には雨も降りました。イギリスの天気は「Four Seasons In One Day」だとイギリス人が言っていました。なんとも気ままなのです。

 イギリスGP取材の前、わたしはサーキットから35kmほど離れたノーサンプトンという街に、民泊の形で滞在していました。ホストマザーにMotoGPの取材に来たと話すと(これは海外で出会った人にする、わたしのお決まりの質問なのです)、彼女は「ああ、なるほどね」とうなずきました。そして「わたしはモータースポーツはあまり好きではないんだけど」とも言うのです。

 ノーサンプトン駅の壁に展示されていた「ノーサンプトンの歴史」の中で、シルバーストン・サーキットで行なわれた最初のイギリスGPのことが語られていたので、シルバーストン・サーキット自体が親しまれているのかもしれません。とはいっても、好きではないのにMotoGPを知っているということには驚きました。徐々にイギリスのことを理解してきたとはいえ、こうした何気ない会話から、イギリスにモータースポーツが根付いていることを感じます。

 さて、2回目に訪れたシルバーストン・サーキットで、わたしはぜひとも行ってみたい場所がありました。それはサーキットのメインエントランス横に建つ、ミュージアムです。中に入ると、1階部分はグッズショップになっていました。ミュージアムの入館料は27.5ポンド。チケットの代わりに細い紙の腕輪を手首に巻き付けて入ります。