発売から1年が経過したトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」。ライバル不在で不動の人気を支える価値

AI要約

トヨタのアルファードと競合他社のミニバンの歴史を紹介。

トヨタのアルファードは上級ミニバンとして独自の存在感を持ち続けている。

競合他社のホンダや日産のミニバンは販売終了や競争力の低下に直面している。

発売から1年が経過したトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」。ライバル不在で不動の人気を支える価値

 トヨタ「アルファード」は、現在4世代目となっている。兄弟車に位置づけられる「ヴェルファイア」は、一世代遅れて車名変更され(初代はアルファードVと名乗り、初代アルファードGと同時に発売)、現行車が3世代目になる。

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■アルファードと競合車の歴史

 1994年、ホンダの初代「オデッセイ」が発売になり、国内のミニバンブームが幕を開けた。続けてホンダは、上級ミニバンとして「ラグレイト」(北米仕様のオデッセイ)を1999年に国内導入した。その前、1997年には日産から上級ミニバンとして「エルグランド」が誕生している。

 ミニバンが隆盛する1990年代、トヨタは、セミキャブオーバー型で後輪駆動の上級車種である「グランビア」を1995年に登場させたが、エンジンを客室の前に搭載するミニバン形式となる前輪駆動のアルファード(初代はアルファードGと名乗った)が誕生するのは、2002年になってからのことだ。

 ただ、トヨタはグランビアの時代から上級車の位置づけで乗り心地や静粛性に優れるという価値を明確にしていた。そこをアルファードも継承し、競合他社に対し後追いとなりながらも、上級ミニバンとして独自の存在感を示した。対するホンダは、あくまでアメリカなどでの実用性を重視していたし、日産は、後輪駆動を生かした走りのよさにこだわった(現行車は前輪駆動)。

 2代目アルファードは、2列目の座席を3列目近くまで大きく後ろへ移動し、後席の居住性を旅客機のビジネスクラスのように快適にする新発想を採り入れ、他にない価値を創出した。続く3代目の開発目標は、単に上級ミニバンとしての進化ではなく、セダンやミニバンという枠を超えた高級車を目指し、優れた静粛性など含め大空間サルーンと称した。

 競合他社のその後は、日産のエルグランドが今日も販売を続けている。しかし、自動車販売協会連合会(以下、自販連)のブランド通称名別順位による販売統計で、上位50位内に車名の載らない状況だ。ホンダのラグレイトは、一世代のみで2005年に販売を終了し、後継の「エリシオン」も2013年には販売を終えた。ホンダは、アルファード/ヴェルファイアの競合車を持たない状況となっている。