「上司いじめ」の被害者にならないために…「パワハラ」扱いされない「部下指導」5つのポイント

AI要約

パワハラや上司いじめについて、企業法務弁護士の國安耕太氏が指導するポイントを紹介。

パワハラ防止法の義務化でパワハラ相談件数が増加。逆パワハラや上司いじめも問題化。

部下に注意・指導する際は冷静に判断し、業務上必要な内容であるか確認する必要がある。

「上司いじめ」の被害者にならないために…「パワハラ」扱いされない「部下指導」5つのポイント

職場の業務上「正当な指示」をしているのにもかかわらず、部下から「その言い方はパワハラじゃないですか!」などと言われたりことをいわれたり、あるいはもっとひどい言葉をぶつけられたりしたことはないだろうか。今「“部下や後輩からの”暴言」や「“部下や後輩による”いじめ・嫌がらせ」――パワハラに代表される部下や後輩からの不当な攻撃(ハラスメント)=「上司いじめ」 に悩む人が急増してる。

上司いじめの被害者にならないために、上司はどんなことに気をつければよいのか……。

企業法務弁護士で、『上司いじめ 企業法務弁護士が教える上司のためのハラスメント対応法』の著者の國安耕太氏に、部下を指導するときに注意すべき「5つのポイント」を教えてもらった。

2020年から「職場でのパワハラを防止する措置を講ずること」が、会社・組織

に義務化されました。パワハラや関連する行為に対する相談件数が増加したことがその背景にあると言われています。

パワハラといえば、パワー(力)によるハラスメントですから、パワーを持っている上司から部下に対して行われることだと思っている方も多いようですが、部下(個人または集団)から上司に対する嫌がらせ・いじめもパワハラ(ハラスメント)に当たる場合があると、改正労働施策総合推進法(以下/パワハラ防止法)では定義されています。いわゆる「逆パワハラ」などといわれる行為です。

これは、ただ単に上司と部下が入れ替わったというだけにとどまらず、上司であるがゆえの深い苦悩をはらんでいること、またパワハラ以外のハラスメントを含むという意味で、部下や後輩による上司や先輩に対する不当な攻撃のことを「上司いじめ」と表現しています。

「そんな言い方はパワハラじゃないですか! 謝ってください」

冒頭でも触れましたが、部下に少し強い口調で注意・指導をしたとき、こんなふうに反撃されることはありませんか。

このようなときは、カッとせず、まずいったん自分の言動を振り返り、これを見てあなたが行った注意・指導の内容が「業務上必要であった」かどうかを冷静に判断する必要があります。

まずは、上司いじめの主体となるパワハラについてお話ししましょう。