「半沢直樹は要らない」AIに勝てる人間だけの能力の正体・・・AI社会はあなたや子どもにどんな能力を求めるか?

AI要約

2022年に登場した対話式AIの「Chat〈チャット〉GPT」は、世界中に急速に広まり3億人が使うほど人気を集めた。これが人工知能が一般個人の日常生活に進出した象徴的な出来事である。

梶谷通稔氏はAIが高学歴・エリート職をも代替し、人間には脳のフル活用が求められる時代に入ったと指摘している。

AIの能力とは何か、また人間が持つAIには代替できない能力とは何か。梶谷氏の新刊では、人間が脳力を育み鍛える必要性が説かれている。

「半沢直樹は要らない」AIに勝てる人間だけの能力の正体・・・AI社会はあなたや子どもにどんな能力を求めるか?

2022年に登場した対話式AIの「Chat〈チャット〉GPT」は、質問すると丁寧で洗練された文章で応答をすることから急速に世界中に広がり、わずか4カ月で3億人が使いました。人工知能が、一般個人の日常生活の中にまで入ってきたことを物語る出来事です。

米国IBMビジネスエグゼクティブなどを歴任した梶谷通稔氏は、「AIは人々の仕事のやり方を一変させ、今後、弁護士や医師など高学歴・エリート職とされる仕事をも代替していく」と予測し、「人間は、ヒトにしかできない領域において、脳のフル活用が求められる時代に突入した」と述べます。

人間が逆立ちしてもかなわない「AIの能力」とは、具体的に何なのか。逆に、人間だけが持つ、AIにはお手上げの能力とは、どのようなものなのか。

社会人から子どもたちまでが、自身の「脳力」を育み・鍛える必要性を説いた梶谷氏の新刊『AI世紀を生き抜く 人間脳力の鍛え方』より、一部抜粋、再構成してお届けします。

■ChatGPTで「何が、どこまで」できるのか

 読者の皆さんの中には、まだChatGPTを体験されていない方たちもいらっしゃるかもしれないので、サンプルをひとつ見てもらいます。

 まず入力にはスマートフォンまたはパソコンを使います。今回、ChatGPTの画面に、「日本が失われた30年から脱却して、世界の中でさらに発展していくにはどうしたらいいですか」と質問を入力したら、瞬時に次のような回答が返ってきました。

「日本が失われた30年から脱却して、世界の中でさらに発展していくためには、以下のような取り組みが必要です。

1.イノベーションへの投資:日本企業は、世界でも高い技術力を持っていますが、革新的な発想に欠ける傾向があります。イノベーションへの投資を増やし、新たな技術やビジネスモデルを開発することで、世界的に競争力の高い企業を育てることができます。

2.外国人材の受け入れ:グローバルなビジネスを展開するためには、外国人材を積極的に受け入れ、多様な文化や言語に対応することが必要です。また、留学生の受け入れや就労環境の改善なども必要です。

3.持続可能な社会の実現:環境問題やエネルギー問題は、世界的に重要な課題です。日本は、再生可能エネルギーや省エネルギー技術の開発、低炭素社会の実現など、持続可能な社会の実現に積極的に取り組むことが必要です。

4.人口減少問題への対応:日本の人口は減少傾向にあり、労働力人口も減少しています。このため、高齢化社会に対応するために、生産性の向上や働き方改革、外国人材の受け入れなど、さまざまな対策が必要です。