次期米大統領はトランプ氏かハリス氏か 日中台や欧州への対応の違いに着目

AI要約

2024年11月5日に投開票日を迎える米大統領選まで3ヵ月あまりとなるなか、7月に入りトランプ前米大統領の銃撃事件やバイデン大統領の再選断念、ハリス副大統領が後継候補として指名される見通しとなるなど情勢は大きく変化しました。

トランプ氏は突然の銃撃を受けたが、支持者に向けて強気な態度を見せ、バイデン大統領は再選を断念し、ハリス氏を後任候補として支持する考えを示した。

トランプ氏とハリス氏が互角の情勢となりつつあり、激しい選挙戦が予想されるが、具体的な勝者はまだ読めない状況である。

次期米大統領はトランプ氏かハリス氏か 日中台や欧州への対応の違いに着目

 2024年11月5日に投開票日を迎える米大統領選まで3ヵ月あまりとなるなか、7月に入りトランプ前米大統領の銃撃事件やバイデン大統領の再選断念、ハリス副大統領が後継候補として指名される見通しとなるなど情勢は大きく変化しました。7月の世論調査では、トランプ氏、ハリス氏がほぼ互角の情勢となっています。そこで、それぞれが大統領となった場合について、地政学的な観点も踏まえて日本、中国、台湾、欧州、北朝鮮との関係がどうなるかを考察します。

 米東部ペンシルベニア州パトラーで開かれた共和党の政治集会で2024年7月13日、トランプ氏が演説中に突然銃撃を受けました(トランプ氏はSNSに「銃弾で撃たれて、右耳の上を貫通した」と投稿)。

 しかし、トランプ氏はその直後、右耳から出血しながらも支持者に向けて右手の拳を高々と挙げると、会場は大きな拍手に包まれました。

 この銃撃事件も影響し、選挙戦で劣勢に立たされていたバイデン大統領は7月21日、秋の大統領選での再選を断念し、後任候補としてカマラ・ハリス副大統領を支持する考えを示しました。

 ホワイトハウスの公式サイトに掲載された米国民向けの演説で、バイデン氏は「数ヵ月のうちに、米国民は米国の将来の進路を選択するでしょう。私は自分の選択をしました。私は自分の意見を表明しました。偉大な副大統領カマラ・ハリスに感謝したいと思います。彼女は経験豊富で、タフで、有能です。私にとって素晴らしいパートナーであり、我が国の指導者でした。選択はあなたたち、米国民にかかっています」と訴えました。

 ハリス氏はジャマイカ出身の父とインド出身の母との間に生まれ、これまでにカリフォルニア州司法長官、上院議員などを務め、既にトランプ打破に向けて臨戦態勢に入っています。

 トランプ氏はバイデン氏よりハリス氏の方が戦いやすいと主張していますが、ハリス氏は7月23日、激戦州の1つである中西部ウィスコンシン州での選挙集会でトランプに必ず勝利すると強い意気込みを示しました。

 トランプ陣営にとっては、このままバイデン大統領が選挙戦を続けた方が良かったのですが、バイデン氏が潔く選挙戦からの撤退を表明し、時間が掛からないうちにハリス氏が新たな対抗馬となったことで、今後は“反ハリスキャンペーン”を徹底してくるでしょう。

 これまでのところ、CBSニュースの世論調査ではトランプ支持が51%、ハリス支持が48%となり、ロイターによる調査ではハリス氏がトランプ氏を2ポイント上回る状況となっており、現時点でどちらが勝つかは読めません。