乗り心地が悪くなる原因が街路樹だったってマジ? 岐阜の自動運転バス乗車レポート
バス運転士不足の問題に対し、自動運転バスが注目されている。
岐阜市の自動運転バスに乗車した体験をレポート。
「GIFU HEART BUS」の実証実験について詳細を紹介。
バス運転士不足の問題が深刻になるにつれ、自動運転バスでの期待が高まっている。自動運転といっても運転士のいない自動運転と、運転士は乗務するが運転操作の必要のない自動運転バスの2通りがある。本稿では前車の社会実験である岐阜市のバスに乗車したのでレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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そんな中で注目されているのが、自動運転の電動(EV)バスやオンデマンド交通をはじめとする、次世代交通サービス「MaaS(Mobility as a Service、マース)」である。全国各地で自動運転バスの公道における実証実験が行われているが、そのうち岐阜市の自動運転バスに乗車したのでその様子をお届けする。
JR岐阜駅にやってきた。駅を出ると出迎えるのは広い噴水広場と一際大きくそびえ立つ黄金の織田信長像である。岐阜市制120周年を記念して、市民の寄付により立てられたというものだが、その近くにあるJR岐阜バスターミナルが今回の出発地である。
広場を見下ろすテラスにも「自動運転バス運行」という大きな垂れ幕が掲げられており、運行に対する期待は大きい。乗り場近くには赤いのぼりと、赤いバス停が設置されているのですぐに見つけられる。
このバスは「GIFU HEART BUS」と称し、岐阜市が主体となり行われている自動運転バスの通年通行事業である。以前より岐阜市では人口減少や高齢化によるバス運転士不足や高齢ドライバーの交通事故などの課題解決に向けて、自動運転技術を活用した持続可能な公共交通サービスの構築を目指し、段階的に取り組みを進めている。
実証実験はこれまでに2度行われている。そして2023年11月25日から「自動運転バスがいつも走っているまち」の実現を目指し、今回の通年通行事業がスタートした。
期間は2028年3月31日までの5年間で、原則毎日運転される。なおBOLDLYが全体管理者として企画・運営を担うほか、自動走行の準備やBOLDLYが開発・提供する運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を用いた運行体制を構築している。
車両は全国各地で実績のあるGAUSSIN MACNICA MOBILITY(旧フランスNavya社)のARMAを使用、そして車両デザインは以前の実証実験では白い車体であったが、今回は赤いボディと視認性が高く印象に残りやすいデザインが採用された。外観や内装、バス停などのデザインはクルーズトレイン「ななつ星in九州」など多くの鉄道車両デザインも手がけている水戸岡鋭治氏が担当している。