米政府ウォレット、押収した20億ドル相当のビットコインを送金

AI要約

米政府のウォレットが20億ドル相当のビットコインを身元不明のウォレットに送金

送金されたビットコインは異なるアドレスに分割され、機関投資家のサービスへの預金とみられる

トランプ氏は過去の没収ビットコインを全て保有し、国家ビットコイン備蓄の中核とする方針を示す

米政府のものと思われるウォレットが、押収した20億ドル相当のビットコイン(BTC)を身元不明のウォレットに送金したようだ。オンチェーン情報の追跡プラットフォーム「アーカム(Arkham)」が7月30日報告した。

アーカムによれば、身元不明のウォレットに送金された20億ドルはその後、2つの異なるアドレスに分割され、片方に1万9,000BTC、もう片方に1万BTCが移されたという。アーカムは「これは、機関投資家のカストディ/サービスへの1万BTCの預金を意味すると思われる」と報告している。

なお今回送金されたビットコインはダークウェブマーケット「シルクロード(Silk Road)」から米司法省が没収したものだ。

米政府のウォレットは記事執筆時点(2024年7月30日12:00)で、約18万3000BTC(約120億ドル相当)を保有。続いて5万ETH、1億2100万USDT、4万BNB、および1000万以上のUSDCを保有している。

米政府は6月26日、シルクロードの売り手であるバンミート・シン(Banmeet Singh)氏から押収した約2億4000万ドル(約384億円)相当のビットコイン(BTC)を、コインベース・プライム(Coinbase Prime)に送金。同ビットコインは今年1月の裁判で没収されたもの。

また昨年12月には、「シルクロード」の創設者ロス・ウルブリヒト(Ross Ulbricht)氏によって放棄されたビットコイン6万9,370 BTC(当時で約4320億4400万円相当)が米司法省の管理下に加わっている。

また2024年米大統領選の候補者であるドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は7月27日、テネシー州ナッシュビルで開催された「Bitcoin 2024」に登壇し、自身が大統領になった際に実行する暗号資産関連の公約についてのスピーチを行った。その中で、米政府が過去の強制措置で没収し保有している約21万3,000ビットコイン(約152億ドル相当)を売却せず、すべて保有し、「戦略的な国家ビットコイン備蓄の中核」とすると述べ、聴衆から賞賛を浴びた。

なおトランプ氏はシルクロードの創設者ロス・ウルブリヒト(Ross William Ulbricht)氏の減刑を支持する意向も示していた。