「サポートブレッドやブランパン…健康志向でも開発のど真ん中はおいしさ」ローソン社長・竹増貞信

AI要約

コンビニ百里の道をゆく

健康志向のパン開発について

おいしさを重視する姿勢

「サポートブレッドやブランパン…健康志向でも開発のど真ん中はおいしさ」ローソン社長・竹増貞信

「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 読者の皆さんはパンはお好きでしょうか。私も大好きです。たとえば晴れた日に甲子園や神宮球場など青空の見える球場で食べるホットドッグとビールも最高ですね。

 メロンパンやアンパンなどの菓子パン、焼きそばやカレーが入った惣菜パン、フランスパンにチーズとはちみつをはさんでというちょっとおしゃれなものも含めて、パンは「一食で完結」できるという点でとても便利な食べ物。コンビニという業態とも親和性が高いと考えています。

 ローソンでもさまざまなパンを扱っていますが、健康面を重視したパンもご好評をいただいています。

 厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準として設定されているたんぱく質、ビタミン、食物繊維など33種類の栄養素を配合した「サポートⓇブレッド」。また健康維持に重要とされている「よく噛んで食べる」に着目した、ひまわりの種や雑穀を入れた「つぶつぶ食感」を楽しめる商品や、もち麦にでんぷんを加えることで「もちもち食感」を従来品よりアップした商品などを販売しているんです。

 私たちが健康志向のパンを発売し始めたのは、小麦の外皮を使用し、低糖質で栄養たっぷりの「ブランパン」から。十数年前のことになります。

 糖質制限が必要な方でも食べていただけるパンを、と始めたのですが、当初のブランパンは肝心の味がいまひとつでした。そこから刷新を重ね、いまでは「おいしいから食べている」と言っていただける品質にまでこぎつけました。そして、このことから学ぶことも大きかったんです。

 健康志向は大事なことですが、商品開発する上ではその大前提として「おいしさ」というものを常にど真ん中に置く。これがやはり、大事です。これからも便利で健康にも良く、そして何よりもおいしいパンを皆さんに提供していきたいと考えています。

※AERA 2024年8月5日号