〈日本ハム2軍移転検討〉浮き上がる地域経済と球団経営の関係性、自治体と他球団との綱引き激化か

AI要約

日本ハムが2軍本拠地の北海道移転を検討中であり、移転候補地が複数あることが明らかになった。

移転の要因として、鎌ケ谷スタジアムの老朽化が挙げられており、球団の今後の動向が注目されている。

北海道新聞を含む複数のメディアがこのニュースを報じており、移転検討に関する情報が逐次公開されている。

〈日本ハム2軍移転検討〉浮き上がる地域経済と球団経営の関係性、自治体と他球団との綱引き激化か

 プロ野球・日本ハムが、千葉・鎌ケ谷にある2軍本拠地の北海道移転を検討していることが複数のメディアの報道で明らかになった。移転の候補地には、2023年から1軍本拠地とするエスコンフィールドがある北広島市に近い恵庭市や千歳市などが挙がっているという。

 日本ハムが22年まで本拠地としていた札幌ドームはその後、巨額の赤字運営を余儀なくされた。2軍も移転が現実となれば、1軍本拠地ほどではないものの、地元への影響も避けられない。

 「鎌ケ谷の球団施設が20数年を経過し老朽化している現状を鑑みれば、さまざまな検討を行うのは企業として当然必要となります。しかしながら、現段階では何も決まっておりませんし、計画といったものでもございません」

 複数のメディアによると、球団はこのようなコメントにとどめている。現段階での決定事項ではないとしたものの、検討そのものは誤報だとは扱っていない。

 北海道新聞は13日午前4時に移転構想に関する記事を公式サイトにアップ。いわゆるニュース速報である「本記」とは別に、移転検討の舞台裏も解説した「サイド記事」も掲載しており、水面下では以前から取材が進行していたことがうかがえる。報道によれば、移転候補地には札幌、千歳、恵庭、苫小牧、江別の5市が挙がっているという。

 球団が移転を検討する要因はいくつかある。

 一つは鎌ケ谷スタジアムの老朽化である。

 スタジアムは1997年にオープン。当時の日本ハムは、巨人と同じ東京ドームを本拠地としていたため、面積もドームと同じ専用球場だった。室内練習場と若手選手寮「勇翔寮」も併設。1軍が2004年に北海道へ本拠地を移してからも、2軍は鎌ケ谷にとどまった。

 現在はメジャーでプレーするダルビッシュ有投手(パドレス)、大谷翔平選手(ドジャース)もこの地から巣立った。現在は開場から30年近く経過し、千葉日報によれば、市の責任者も今回の報道に驚きつつ、「老朽化の課題はある」と認めている。