3m超えも当たり前!? ロングホイールベースが流行の今……室内が広くなる以外のメリットとは?

AI要約

ホイールベースとは、前のタイヤの中心から後ろのタイヤの中心までの距離を表すクルマの重要な要素。

ホイールベースが短いと俊敏性が高く、長いと安定性が増すが、小回りが効かない傾向。

近年はコンパクトカーを含めホイールベースを長くするトレンドがあり、室内空間の確保や走行性能向上が狙い。

3m超えも当たり前!? ロングホイールベースが流行の今……室内が広くなる以外のメリットとは?

 クルマの走りのキャラクターの話題となると、必ずと言っていいほど上がるキーワードが「ホイールベース」だ。ホイールベースが違うと何が異なるのか?いまさら聞けないクルマのホイールベースについて見てみよう!

文:西川昇吾/写真:メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン ほか

 ホイールベースとは、前のタイヤの中心から後ろのタイヤの中心までの距離のことだ。この距離が長ければ「ロングホイールベース」と言われるし、短ければ「ショートホイールベース」と言われる。基本的に日本ではホイールベースは「mm」で表すことが多い。

 クルマが唯一路面と設置しているパーツがタイヤだ。ホイールベースはそのタイヤの前後間を表している訳だから、ホイールベースが変わればクルマのキャラクターは大きく変わる。

 基本的にホイールベースが短いと俊敏性に優れていて素早く曲がることがメリットと言われるが、その分安定性に欠けるのがデメリットと言われる。

 反対にホイールベースが長いと安定性に優れることがメリットだが、デメリットとして素早く曲がるのが苦手と言われるほか、最小回転半径が大きくなり小回りが苦手になりやすい。

 それ以外にも細かなメリットデメリットはあるが、走りのキャラクターだけで言えば、ホイールベースの長い短いによって、曲がるのが得意か?安定して真っ直ぐ走るのが得意か?のどちらかに基本的にはキャラクターが分かれることになる。

 近年はホイールベースを長くするのがトレンドとなっている。特に軽自動車を始めとしたコンパクトカーでその流れは顕著だ。その理由は小さなボディサイズで直進安定性を確保したいという狙いもあるが、室内空間を広くしたいという狙いが大きい。

 走行には必ず必要なタイヤだが、室内空間の確保を考えると邪魔な存在となる。では室内空間を広く取るためにはどうすればいいのか?そうするとタイヤは自然と車体の出来るだけ前後に追いやられる。そうなるとホイールベースが長くなるのだ。

 コンパクトカーではボディサイズが小さいため直進安定性の確保も難しいし、室内空間を広く取りたい。だから走りを考えても、利便性などの市場ニーズを考えてもロングホイールベース化はメリットが多いのだ。

 勿論、小回りが効かないというデメリットもあるが、コンパクトカークラスならば同クラスのライバルに比べて小回りが苦手というのはあまり痛手にならないことが多いだろう。

 ミドルサイズ以上のモデルとなると同クラスのライバルでもホイールベースはまちまちなことが多く、それそれのメーカーの考え方が出ていると言える。