ブリッジウォーター創業者、アブダビの計画に遅れ-退任条件が障害か

AI要約

ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏のファミリーオフィスとアブダビ投資庁との投資提携延期の背景には、ダリオ氏の退任を巡る法的条件の絡みがある。

ダリオ氏は競業避止契約を結んでおり、提携によりブリッジウォーターの知的財産を使用する可能性が問題視されている。

ダリオ氏とアブダビ投資庁はAI企業向けの資産運用事業を立ち上げる予定だったが、現在は延期状態である。

ブリッジウォーター創業者、アブダビの計画に遅れ-退任条件が障害か

(ブルームバーグ): ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏のファミリーオフィスと、アブダビ投資庁会長を務めるシェイク・タフヌーン・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン氏との投資提携が延期されている。背景には、ダリオ氏の退任を巡る法的条件との絡みがあるという。

この問題を直接知る人物は、ダリオ氏が提携を進めた場合、ブリッジウォーターの知的財産(IP)を使用することにならないかが問題の1つになっていると述べた。

ダリオ氏(74)は数年前、経営の第一線から退くに当たり競業避止契約を結んだ。情報の部外秘を理由に匿名を条件に関係者が語った。ダリオ氏がブリッジウォーターの大口顧客の1人であるシェイク・タフヌーン氏とベンチャーを計画していることで、同契約の内容が精査されるとみられている。

ダリオ氏とブリッジウォーターは声明文で、双方の間に「これらのトピックに関する議論や対立はなく、そうでないと示唆するものは全くの誤り」と説明。「ブリッジウォーターは過去・現在問わず、顧客とのパートナーシップについてコメントすることはない」とした。

内情を知る関係者によると、ダリオ氏とシェイク・タフヌーン氏は昨年半ばにパートナーシップを立ち上げる予定だった。シェイク・タフヌーン氏によって設立された人工知能(AI)企業G42向けに、アブダビの国際金融拠点に資産運用事業を設立することを検討していたという。

ダリオ氏はその資金の一部を運用して手数料を得る可能性があるが、これまで暫定的に非公式な助言を行っている。

G42、ダリオ氏のファミリーオフィス担当者はコメントの要請に応じていない。

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原題:Dalio’s Exit Terms at Bridgewater Said to Delay Abu Dhabi Plans(抜粋)