ただ懐かしいだけじゃない!任天堂が新作ソフト「ファミコン世界大会」で示した“新しい一手” 遊んで見えてきた意外な側面

AI要約

7月18日に発売されたNintendo Switch用ソフト『ファミコン世界大会』は、13種類のファミコンソフトの一部を楽しむゲームであり、ノスタルジックな要素と現代的な遊び方を融合している。

ゲームの一部が切り取られているのは、レトロゲームの古さや遊びづらさを補うためであり、プレイヤーにとって労力を要する時間を節約している。

『ファミコン世界大会』は過去の「Nintendo World Championships」を模しており、懐かしむだけでなく、競争要素を取り入れてファミコンの新たな楽しみを提供している。

ただ懐かしいだけじゃない!任天堂が新作ソフト「ファミコン世界大会」で示した“新しい一手” 遊んで見えてきた意外な側面

■13種類のファミコンソフトの一部を遊ぶ

 Nintendo Switch用ソフト『Nintendo World Championships ファミコン世界大会』(以下、『ファミコン世界大会』)が7月18日に発売された。

 本作は、『スーパーマリオブラザーズ』や『ゼルダの伝説』など、13種類のファミコンソフトの一部を遊ぶゲームである。

 ファミコンはすでに生誕40周年を迎えており、ゲームを長く遊んでいるベテランは老眼になっていてもおかしくないほどである。やはり本作は、ノスタルジーを喚起するような一作になっているのだろう。

 と思いきや、実際に『ファミコン世界大会』を遊んでみると、意外な側面が見えてきた。ただ懐かしいだけでなく、現代的な遊び方も取り入れられているのだ。

 そもそも『ファミコン世界大会』では、なぜゲームの一部が切り取られているのか。レトロゲームはかつて遊んだことのある人には懐かしくてよい反面、古くて遊びづらい側面もある。

 しかも、1つのレトロゲームを遊びはじめると、クリアするまでにはそれなりの時間がかかる。タイムパフォーマンスを考える時代には合っていないし、余暇の時間が少ない大人にとっても遊ぶのには少し労力がいる。

 ゆえに『ファミコン世界大会』では、『スーパーマリオブラザーズ』であれば「地下ステージの全コインを取る」だとか、『ドンキーコング』であれば「1面最速クリア競争」など、インパクトのある部分や遊びやすい部分を集めて構成されている。

 とはいえ、これだけだと単なる懐古であるし、過去に任天堂が発売した『ファミコンリミックス』シリーズとほとんど差別化できていない。

 そこで重要になるのが、1980年代後半から1990年代初頭に開催されていた「Nintendo World Championships(ファミコン世界大会)」を模した部分となる。ただ懐かしむだけでなく、素早くクリアして競争することによって、ファミコンに新たな楽しみを吹き込んだわけだ。