FIIOから木製ハウジングヘッドフォン「FT1」、aptX AdaptiveとLDACが使えるドングルBT送信機

AI要約

ポータブルオーディオイベント「ポタフェス2024夏 秋葉原」での参考展示ブースをレポート。

FIIO、Noble Audio、iFi Audioからの新製品が注目される。

Cleerからも最新の完全ワイヤレスイヤフォンが発表される。

FIIOから木製ハウジングヘッドフォン「FT1」、aptX AdaptiveとLDACが使えるドングルBT送信機

秋葉原にてポータブルオーディオイベント「ポタフェス2024夏 秋葉原」が14日まで開催中。入場料は無料(事前登録なしのフリー入退場)。会場はベルサール秋葉原。ここでは、FIIOやNoble Audio、iFi Audioの新製品を参考出品しているエミライのブースをレポートする。

■ FIIO

ヘッドフォンアンプ「K11」のDACチップ「CS43198」を、同社開発の「4チャンネルフルバランス構成ディスクリート型24bit R2R DAC」に置き換えた「K11 R2R」を国内初公開。発売は今夏で、国内価格は未定。

DACチップのほかにもK11からの変更点があり、「ノン・オーバーサンプリング/オーバーサンプリング」の2種類のサンプリングモードが切り替えに対応。高品質のボリュームコントロールチップ「NJM1195A」を採用。ヘッドフォンアンプ回路部はフルバランス設計で、1,300mWの出力を実現。また、最大17個の低ノイズLDO高精度電圧レギュレータICと2個のDC-DCコンバータも使用し電源の純度を確保している。外観にはR2Rのロゴが入っている。

スペックの数値面ではベースモデルに劣ってしまうが、ブランドのサウンドを追求できるR2R DACを搭載していることが注目ポイント。今後、他モデルへのR2R DACの展開についてはユーザーからのフィードバック等を参考に決めていくという。

「BTR3」の後継となるBluetoothアンプ「BTR13」も国内初公開。今秋発売予定で、国内価格は未定。Cerrus Logic製DAC+アンプ統合型チップ「CS43131」を2基搭載。ヘッドホンアンプ回路用に独立した電源を採用。最大出力は従来よりパワーアップし220mWを実現している。出力部は3.5mmシングルエンド、4.4mmバランスを装備。

Qualcomm製「QCC5125」を採用。コーデックはAAC/SBC/aptX/aptX LL/aptX adaptive/aptX HD/LDACをサポート。USB DAC機能も備え、最大96kHz/24bitまで対応する。

LDACとaptX Adaptiveの送信に対応するドングルタイプのBluetoothトランスミッター「BT11」も国内初公開。今秋発売で国内価格は未定。Bluetooth 5.4準拠で、ほかにもaptX Lossless、aptX、aptX HD、aptX LL、SBCもサポート。LE AudioのLC3や、LDAC(96kHz/24bit)への対応、音量/インジケーターライト/チャンネルバランス調整などのアップデートも予定している。

イヤフォン「FH9」の後継となる「FH19」も国内初公開。今秋発売で、国内価格は未定。片側にダイナミックドライバー×2基、Knowles製(バランスドアーマチュア)BAドライバー6基を搭載したハイブリッド構成。FH9より踏襲したセミオープン構造により、フロントキャビリティとリアキャビティの空気圧均一になり、より自然で、広大なサウンドステージを実現したという。

独自開発の60mm大型ダイナミックドライバーを搭載した密閉型ヘッドフォン「FT1」も国内初公開。今秋発売予定で国内価格は未定。トウヒ木製ナノファイバーダイアフラムと、応答速度の速い日本製の極細CCAWボイスコイルを採用。ハウジング部には北米産ブラックウォールナットを使用している。

密閉型デザインにより-26dBのノイズアイソレーションを実現。ヘッドフォンと外耳で生じる定在波を減らすテーパーバッフル設計を採用している。新開発のU字型音響ダンパーにより、ノイズリダクションと低音の品質を向上。32Ωの低インピーダンス設計で、様々な機器で駆動しやすくなっている。

そのほか、店舗にはあまり展示されていないという、ポータブルカセットプレーヤー「CP13」のクリアカラー(Transparent)や、CP13との組み合わせで注目されているというイントラコンカ型イヤフォン「FF1」のクリアカラー(Transparent)も参考展示されている。

■ Noble Audio

Noble Audioからは、完全ワイヤレスイヤフォンのFoKusシリーズ初となるxMEMS製MEMSドライバー搭載の「FoKus TRIUMPH」を参考展示。発売時期、国内価格ともに未定。xMEMS製「COWELL」ドライバー×1基、6.5mm径ダイナミックドライバー×1基のハイブリッド構成となっている。

通話品質を向上し、ヒアスルー機能も搭載。TrueWireless Mirroring対応で低遅延、接続性安定性を実現し、連続再生時間は最大8時間となっている。フェイスプレートはハンドペイント仕上げで、充電ケース外装には伊アルカンターラ製人工皮革高級素材「アルカンターラ」を使用。「外観、素材でも新たな発展を行った究極のワイヤレスイヤフォン」としている。

■ iFi audio

iFi audioからは、2機種を国内初公開。xMEMS製MEMSドライバーを使用したイヤフォンをサポートする専用モードを搭載した「ZEN CAN 3」は今秋発売で、国内価格は未定。iCAN Phantomと同じ、クラスAディスクリート回路により、最大2,000mWの出力を実現。増幅段にはiFi/AMR独自の「OV(Operationsverstärker)」シリーズ オペアンプを搭載している。

そのほか、東京コスモス電機(TOCOS)製マルチトラックポテンショメータや、共振回路の応用において高い安定性と低損失を実現するTDK C0G(種類1 MLCC)コンデンサ、超低ノイズ、超低歪、高出力駆動能力など、あらゆる面で高い性能を誇るTexas Instruments製ICなどを採用している。

aptX LosslessとLDACを両方サポートするBluetoothトランスミッター&レシーバー「ZEN Blue 3」も今秋発売で、国内価格は未定。BluetoothオーディオチップにQualcommのフラッグシップQCC518xを搭載。aptX Lossless、LDAC、LHDC/HWA、aptX Adaptive、aptX、AAC、SBCなど、現在のすべての主要なBluetoothコーデックをサポート。

DACチップにはESS「Sabre Hyperstream」を搭載。有線DACとして、USB-C経由で96kHz/24bit、光デジタル経由で192kHz/24bitに対応する。4.4mmバランスライン出力も備え、ノイズとクロストークを大幅に低減するとのこと。

なおiFiブランドについては、一部セット販売を除いてラインナップと価格もそのまま引き継いでいるが、一部機種がグローバルでの価格と比較して大幅に安い金額になっている事から、今後一部製品が値上げになる可能性が高いという。

■ Cleer

オープンイヤー型完全ワイヤレスイヤフォンの新製品「ARC 3」を参考展示。今夏発売予定で、ラインナップはMusic、Music Pro、Sport、Sport Pro、Gaming、Maxの6種展開で、国内での店頭予想価格は39,600円前後から59,880円前後。16.2mm大口径ダイナミックドライバーを備え、より深みのある低音表現を可能にする、Cleerの特許技術DBE 3.0を搭載している。

Dolby Atmosによる空間オーディオが楽しめるほか、Qualcomm Snapdragon Sound認証、LDAC対応予定で、高音質で楽しめることも特徴。29msの低遅延を実現する専用USB-Cドングルも付属する。GamingモデルやAI機能を搭載したMusic、Sport Editionの上位モデル、各モデルの全機能を搭載したMaxなど、様々なシーンに対応するラインナップを用意している。