大阪関西万博スタッフユニフォームに“土に還るポリエステル”を採用

AI要約

大阪のV&Aジャパンが独自開発した“土に還るポリエステル”素材「クラフトエボ リーテ」がEXPO2025大阪関西万博の運営スタッフのユニフォームの素材として使用される

「クラフトエボ リーテ」は特定条件下で約1年で分解し、CO2排出量は32.8%削減できる

ポリエステル単一素材や天然繊維との混合素材もたい肥化可能。食用植物への利用については慎重な検討が必要

大阪関西万博スタッフユニフォームに“土に還るポリエステル”を採用

大阪のV&Aジャパンが“土に還るポリエステル”として打ち出す「クラフトエボ リーテ(CRAFTEVO ReTE)」がEXPO2025大阪関西万博の運営スタッフのユニフォームの素材として採用された。「クラフトエボ リーテ」は、同社が独自開発したもので特定条件のたい肥に埋めると水と二酸化炭素、バイオマスに分解する特殊なポリエステル。藤田直矢V&Aジャパン社長によると特定条件とは「温度60~70度、湿度50%以上の条件下で、約1年で分解する」という。同社は使い終わった製品を回収して、たい肥化することでゴミを削減できるとして訴求する。

LCA(ライフサイクルアセスメント)評価によると、CO2排出量は従来の石油由来ポリエステルに比べて32.8%削減できるという。また、ポリエステルに関してはケミカルリサイクル技術も注目されているが「CO2排出量に関してはケミカルリサイクルよりも低い」と藤田社長はいう。耐久性に関しては通常のポリエステルに比べて「90%程度の強度だが5~10年着用する分には問題はない」。染色や加工に使う薬品については「染料や加工の成分はたい肥に残るが、全体の0.3%程度。植物が吸収できる分子サイズよりも大きいため、植物が染料を吸収することはない。当社はブルーサインやエコテックス認証の染料を活用している」とのこと。ポリエステル単一素材に加えて、天然繊維との混合素材もたい肥化可能だ。

現在はたい肥を利用した食品廃棄物の処理を行う農業との融合廃棄物処理施設を利用しており、たい肥を利用した食用植物を育てるための二次利用は行っていないという。「生分解後のたい肥を利用した一般的な植物を育てる安全確認では植物の育成には問題がないことは確認が取れている。しかし、将来的に食用植物に使用することを含め慎重に検討する必要がある」と藤田社長。

V&Aジャパンは、糸や生地の販売の他製品OEMも手掛け、回収を含めたサービスも提供する。