330なのに2リッターだと!? エンブレム見てもわからん!! エンジンの排気量と車名が全然一致しなくなった今

AI要約

車名と排気量が一致しなくなり、グレード名の重要性が低下している現代の車市場について考察。

BMWやメルセデスAMGの例を挙げ、ダウンサイジングトレンドによるエンジン性能の変化を解説。

排ガス規制への対応としてエンジン排気量の縮小やターボ過給の普及が進んでいる状況を示す。

330なのに2リッターだと!? エンブレム見てもわからん!! エンジンの排気量と車名が全然一致しなくなった今

 昔は車名を見ればおよその排気量が一目で分かったため、購入者にとってグレード名は非常に重要なポイントだった。メルセデス・ベンツの500や600のように最上位(最も高い)クルマはエンブレムを見れば一目瞭然だったわけだ。だが現代は…だいぶ様子が変わってしまっている。

 文:藤野太一/写真:メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン

 いつの頃からか、特にメルセデスやBMWの車名と排気量が一致しなくなったと感じている人は多いだろう。あらためてその流れを振り返ってみる。

 現行のBMW3シリーズセダンを例にみてみると、「318i」、「320i」、「330e」のいずれも「B48B20A」という同型式の2リッター直列4気筒エンジンを搭載している。

 「318i」と「320i」はターボのチューニングで出力とトルクに差をつけ、「330e」はプラグインハイブリッドとなっている。

 かつては318といえば1.8リッターの、330といえば3リッターのエンジンを搭載していることを表していたが、最近ではいずれもその数字"相当"の出力&トルクを発生することを意味している。

 メルセデスAMGの変遷も少し振り返ってみるとしよう。1993年、初代Cクラス(W202)をベースにAMGチューンの3.6リッター直6エンジンを搭載した「C36 AMG」を発表。

 その後、4.3リッターV8を搭載した「C43」、そして5.4リッターV8を搭載した「C55」が登場する。

 そしてW204の時代にはSLS AMGにも搭載された自然吸気の6.2リッターV8エンジンを搭載した「C63」が登場する。車名と排気量がマッチしていた時代だ。

 そののち、欧州メーカーのあいだでは"ダウンサイジング"というトレンドが活発になった。

年々厳しくなる排ガス規制に対応すべく、エンジン排気量を縮小してCO2排出量を抑え、ターボなどの過給機でパワーを稼ぎ出すというものだ。