オジサンに馴染みがあるのは「ロードスター」のみ!? 「アルファベット+数字」が基本のマツダの車名の意味

AI要約

マツダの車名には古くからペットネームが使われてきたが、現在はほとんどがMAZDA+数字やCX+数字の組み合わせとなっている。

数字の大小が車格やサイズを示すルールは明確ではなく、CXシリーズの数字も一貫していない。

CX-60がリードSUVとして位置づけられ、他にもCX-80、CX-70、CX-90などの展開がある。MX-30は日本で使われているが、北米ではロードスターにも使われている。

オジサンに馴染みがあるのは「ロードスター」のみ!? 「アルファベット+数字」が基本のマツダの車名の意味

 かつてのファンにとっては、マツダの代表的な車名といえば、いわゆるペットネーム(数字や記号ではない名前のこと)的なイメージが強い。古くは「コスモ」、「ファミリア」、「カペラ」、「サバンナ」などがあり、最近消えてしまった名前としては「アクセラ」、「アテンザ」、「デミオ」などがある。

 いまでもOEMモデルの軽自動車においては「フレア」や「キャロル」といったペットネームが使われているが、マツダが生産している登録車についてはMAZDA+数字、CX+数字、MX+数字といった組み合わせがほとんどで、ペットネームが定着しているのは「ロードスター」くらいだ。

 あらためて、マツダの国内向けラインアップで使われている車名を一覧的に並べてみよう。

 MAZDA2、MAZDA3、MAZDA6、CX-3、CX-30、CX-5、CX-60、MX-30、ロードスター

 MAZDA+数字で表現されているのは、ハッチバックやセダンなど比較的全高の低い車種で、こうしたモデルがプラットフォームやアーキテクチャー的に、各カテゴリーにおいて設計の基本となっていることを意味していると理解できる。

 数字の大小はボディサイズなど車格を示していると考えられるが、MAZDA3とMAZDA6を比べたときに倍のサイズ感というわけではないし、エンジン排気量や出力が倍ほど違うわけでもない。数字の付け方に明確な計算式があるとは思えない。

 また「CX」については、マツダのクロスオーバーSUV車のラインアップを表すというのが公式見解ではあるが、後ろにつづく数字についても絶対的なルールがあるとはいえないだろう。

 たとえばCX-30とCX-5の関係だけを抜き出せば「数字が大きいほど車格が上になる」というルールが通用しないことはあきらかだ。CX-30についてはCX-3というSUVラインアップのエントリーモデルの兄貴分というサイズ感なのだ。そうであれば、CX-4という名前にすればよかったのでは? と思いたくもなる。

 もっとも、CX-4という名前はCX-5のクーペバージョンともいえるモデルの名前としてグローバルモデル(中国向け)に使われたこともあり、混乱を考えると日本において異なるモデルに使うわけにはいかなかったのだろう。ちなみに、マツダの北米向けラインアップには「CX-50」というCX-5をワイド&ローにしたようなシルエットのモデルも展開されている。

 CX-3とCX-30、CX-5とCX-50の関係だけを見ると、CXの二桁数字モデルは、なにかの発展形という風なルールがあると想像したくなるが、ご存じのようにそれは間違った認識だ。

 新世代のSUVの主役となる「CX-60」は、CX-5とは異なる流れにあることはいうまでもない。エンジン縦置きのFRプラットフォームに基づく『ラージ商品群』のエントリー的モデルというのがCX-60の位置づけであり、CX-60をストレッチした3列仕様がCX-80、CX-60のワイド版がCX-70となり、CX-70のストレッチ版はCX-90とされるのが、現時点でのグローバルなモデルラインアップとなっている。

 日本では「MX-30」だけにしか使われていない“MX”というアルファベットは、じつは北米ではロードスターに使われていたりする。彼の地においては「MX-5 MIATA(ミアータ)」というのが日本でいうロードスターの車名となっている。ミアータというのは初代ロードスターのペットネームであり、日本でも初代モデルからの伝統を受け継いでいるのと同様だ。

 なお、MXというアルファベットについては、初代ロードスターと同時期に登場したスポーツクーペなどに使われてきた過去がある。MX-30にしても観音開きドアのクーペSUVというスタイルからすると、歴史的にはMXを使うのは納得できるところだ。