米自動車販売、6月に減速したもよう-高金利やサイバー攻撃が影響

AI要約

米自動車販売は先月、回復の勢いを失ったもようだ。高価格や高い借り入れコスト、全米の自動車ディーラーを揺るがしたサイバー攻撃が販売への重しになったとみられる。

市場調査会社5社のコンセンサスに基づくと、6月の自動車販売台数は年率換算で約1580万台と、前年同月の1610万台から減速したもよう。

消費者にとって最大のハードルとなっているのは、金利上昇を主因とする購入能力の問題だ。新車ローンの平均年利率は10%と、過去1年間に1ポイント上昇した。

(ブルームバーグ): 米自動車販売は先月、回復の勢いを失ったもようだ。高価格や高い借り入れコスト、全米の自動車ディーラーを揺るがしたサイバー攻撃が販売への重しになったとみられる。

市場調査会社5社のコンセンサスに基づくと、6月の自動車販売台数は年率換算で約1580万台と、前年同月の1610万台から減速したもよう。ただ、販売ペースは安定を維持しているとみているアナリストもいる。新型コロナウイルス禍の影響でサプライチェーンが混乱し、在庫不足が生じて以降、消費者がショールームに戻ってきていることが背景にある。

消費者にとって最大のハードルとなっているのは、金利上昇を主因とする購入能力の問題だ。新車ローンの平均年利率は10%と、過去1年間に1ポイント上昇した。自動車メーカー各社は買い手を呼び込もうと値引きを進めているが、多くの消費者は価格がさらに下がるかどうか様子見している。

コックス・オートモーティブのエグゼクティブアナリスト、エリン・キーティング氏は、全体的な価格設定はまだ2020年の水準を上回っていると指摘。これに一段の価格下落が予想されることも相まって、「今すぐ購入しようという動機に乏しい、緊急性に欠ける市場環境がもたらされている」と述べた。

エドマンズでインサイト担当エグゼクティブディレクターを務めるジェシカ・コールドウェル氏は、一部の購入は第3四半期(7-9月)にずれ込んでいる可能性があると指摘。

「これは自動車業界が回復に向かう長い道のりにおける、もう一つのスピードバンプだ」と同氏は述べ、「業界が過去に直面した他のブラックスワン的イベントとは異なり、販売が失われたり、大幅に延期されたりすることはないはずで、それは良いニュースだ」と続けた。

原題:US Auto Sales Set to Slow Amid Higher Rates, Dealer Cyberattack(抜粋)

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