バフェットが保有するアップル株は、多くのS&P500企業の時価総額を上回る。その規模は約27兆円(海外)

AI要約

ウォーレン・バフェットが保有するアップル株は過去最高値に達し、S&P500企業の中でも高い価値を持つ。

バフェットは前四半期にアップル株を減らしたが、なければもっと高い価値になっていた可能性がある。

バークシャー・ハサウェイのアップル株の価値はマーケットやAIの影響で急騰し、バフェットの投資戦略が注目されている。

バフェットが保有するアップル株は、多くのS&P500企業の時価総額を上回る。その規模は約27兆円(海外)

ウォーレン・バフェットが保有するアップル株には1690億ドル(約27兆円)の価値があり、S&P500社中450社を上回っている。

バークシャー・ハサウェイは前四半期にアップル株を13%減らしたが、それがなければ1940億ドル(約31兆円)の価値に達するはずだった。

AIの流行の影響で、アップル株はわずか3カ月足らずで25%急騰し、過去最高値に達した。

ウォーレン・バフェットが保有するアップル株は、同社株の過去6週間における急騰を受けて、S&P500社中の450社よりも価値が高くなった。

バフェットのコングロマリットであるバークシャー・ハサウェイは、同社資料によると、3月末の時点でアップル株をおよそ7億9000万株保有し、その価値は1350億ドル(約21兆円)に上る。

4月以降、アップル株は25%の上昇を見せ、6月13日の終値で過去最高の214ドル(約3万4400円)を記録した。これをもって、同社の時価総額は3兆2900万ドル(約482兆円)となり、マイクロソフトをわずかに上回った。つまり、バークシャーが保有する5.1%の株式がまだそのままだとすると、1690億ドル(約27兆円)の価値をもつことになる。

MarketBeatのデータにしたがえば、バフェットがもつアップル株の価値はS&P500企業の上位45企業以外のすべての企業よりも多くの価値をもつことになる。バークシャーが有するアップル株を公開企業にたとえるなら、その企業はベライゾン(1670億ドル[約27兆円])、アメリカン・エキスプレス(1600億ドル[約26兆円])、IBM(1550億ドル[約25兆円])、Uber(1480億ドル[約24兆円])、ナイキ(1420億ドル[約23兆円])などといった優良企業よりも時価総額が高い。

バークシャーの保有株の価値はこの四半期で340億ドル(約5.4兆円)急騰した。株式市場と経済全般に対する投資家たちの楽観的な見方のみならず、巨大ハイテク企業のアップルが今週、ChatGPTなどのAIツールを採用して大きな話題となったことが、この急上昇の原動力となった。

しかし、バフェットと彼のチームが前四半期にアップルへの投資を13%減らした点に注目すべきだろう。それ以前の9億500万株で計算すれば、6月13日の終値におけるその価値は1940億ドル(約31兆円)を記録していたことになる。アクセンチュア(1890億ドル[約30兆円])、シスコ(1840億ドル[約29兆円])、ディズニーとマクドナルド(1830億ドル[約29兆円])を超える数字だ。

5月のバークシャーの年次総会で、バフェットはアップル株を減らした理由を説明した。米国政府が膨れ上がる負債に対処するために増税すると予想し、ある程度の利益を確保することが狙いだったそうだ。また、世界経済が厳しい状況にある時期に現金をもつことは悪いアイデアではないとも付け加えた。

また、彼はアップルに頼りすぎることに危惧を覚えたのかもしれない。3月末の時点で、バークシャーが保有する合計3360億ドル(約54兆円)の株式ポートフォリオの40%以上がアップル株だった。バークシャー時価総額の8760億ドル(約140兆円)を基準にすれば、ほぼ5分の1がアップル株ということになる。

前四半期にアップル株の一部を現金化することで、数十億ドルを取り落としたことになるが、バフェットはさほど気にしていないだろう。2021年の年次報告が示すように、バークシャーの2021年末におけるアップル株の取得原価は310億ドル(約5兆円)だった。つまり同社は、帳簿上は5倍以降の利益を上げたことになる。

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。