地方で活躍を続ける首都圏出身のバス車両……元の事業者が一番分かりやすいのは都バスだと!?
首都圏の路線バス車両は寿命が来ると他の場所へ再就職することが多い。
バス事業者は20年経たないペースでバス車両を入れ替えている。
バス車両が塗り替えられることで出身地を判別する楽しみ方もある。
過密な交通網に揉まれながら日々を過ごした首都圏の路線バス車両の面々。引退した後すぐ解体工場送りになることなく、他の場所へと渡り再就職するものが結構いる。
文・写真:中山修一
(元・首都圏のバスの写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
首都圏の大手バス事業者の場合、新車で導入したバス車両を寿命が来るまで使い続けるのは非常に稀で、大体どこも登録から20年経たないくらいのペースで入れ替えていく。
事故で廃車になったり、元々調子の悪い個体を除けば、まだまだキッチリ走る状態。そのため、首都圏で役目を終えたバス車両が、中古車として安価に販売されたり、譲渡の対象になったりすることが良くある。
なによりも安く車両を揃えられるのがメリットであり、コストを抑えたいバス事業者が、車両を引き取って自社のバス路線に再投入させる流れも割と普通だったりする。
京成バスや西武バス、東急バス、神奈中バス、都営バス、横浜市営バスなどなど、引退したバス車両を他の事業者に放出している首都圏のバス事業者は、公営民営問わず様々だ。
しかし、元首都圏の車両が引き取り先の事業者に渡った後、車体のカラーが塗り替えられるのはごく自然であり、そうなれば元々どこのバスだったのか、パッと見ても区別が付かないのでは?という疑問がわく。
趣味で触れ合うバスにおいては、初見で何となく「これ東京にいたっぽくね?」と怪しんでから後で調べて「あ~、やっぱり元東急バスだった」と納得するような、事後確認型の楽しみ方はもちろんアリだし、極めてメジャーなスタイルと言える。
ほか、例えば神奈中バスの正面脇に付いている「運賃後払い」などを掲示させる小窓といった、その事業者のバスにしか付いていないパーツや設備・装置の類から"出身地"を判別するテクニックも挙げられる。
マニア目線すぎると言ってしまえば、そうかも知れない。ところが中には、ぜんぜんマニアックな工夫を凝らさなくても、ちょっと見ただけで何処の誰だったか察しがついてしまうバスだっている……元・都営バスだ。